常念寺
じようねんじ
[現在地名]加茂町里 小田
里集落の東の高台にあり、成満山と号し、天台真盛宗。本尊阿弥陀如来。延徳四年（一四九二）伊賀国長田荘西蓮寺（現三重県上野市）に下った近江坂本西教寺（現滋賀県大津市）の真盛によって創建の契機がもたらされたと伝える。彼は木津川を船で下り、舩屋で下船して中森で法話をしたが、その折奈良東大寺の僧栄俊が真盛の教えに感銘して弟子となり、名を盛憲に改めて舩屋の地に常念寺を創建した。その時期は確かでないが、寺内に永正一七年（一五二〇）二月の銘のある念仏供養塔が残り、それ以前真盛没後まもなくの頃といわれる。
常念寺
じようねんじ
永原の南方、上町にある。明鏡山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。もと天台宗寺院で、円仁開基とも伝え、応永三年（一三九六）常誉真厳によって浄土宗に改められた。永正三年（一五〇六）永原城主永原重秀が堂舎の造営に助力し、以後永原氏の菩提所となった。その後織田信長が当寺一二世大誉文諦に帰依したので、天正八年（一五八〇）安土城下へ移ったが、同一〇年信長の没後永原にもどり、「諸方旦那の助成」によって同一三年再建されたという（寛永二年「由緒書」当寺蔵）。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]山形市三日町二丁目
江戸時代城下町であった材木町南東部にある。義光山と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。寺伝によれば、天正一一年（一五八三）陸奥の僧寂蓮社良雄舜翁により不動山明王院が開山されたが、最上義光が法蓮岌讃専阿に帰依して同院に招き中興としたと伝える。専阿は清浄華院（現京都市上京区）から寒河江正覚寺に来て布教していた名僧という。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]萩市大字下五間町
下五間町の北東端に位置し、浄土宗。長栄山不断光院と号し、本尊は阿弥陀如来。
寺伝によれば天文元年（一五三二）古萩に創建されたとする。慶安五年（一六五二）の城下町絵図にはみえないが、熊谷町の東、保福寺筋の北の一画にあったと推定される。開山は単蓮社信誉西阿、開基は吉見頼興の家臣安部藤兵衛家貞で寺号は家貞の法名常念による。
近世には防長二国の触頭で末寺も一七ヵ寺あったが、のち長門一国の触頭になったという。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]鶴岡市睦町
現睦町北部にあり、近世には寺小路東端に位置していた。鶴岡山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。縁起によれば、大永三年（一五二三）寂誉によりのちの一日市町の地に創建され、鶴岡山円通院天翁寺と称した。慶長八年（一六〇三）庄内が最上氏領となると、最上義光は山形城下義光山常念寺（現山形市）より岌讃を招いて当寺中興五世とし、常念寺と寺名を改めた。「鶴岡昔雑談」によれば、旧寺地は一日市町の宇治家屋敷辺りを大門とし、のちの七日町辺りまでを占めていたという。義光は長男義康追善のため鶴ヶ岡における菩提寺と定め、寺領一三八石余を寄進したと伝える。
常念寺
じようねんじ
現在の田名部町の中ほど、藩政期の明神町の東端に位置し、門前を明神川が流れる。不退山と号し、浄土宗。本尊は阿弥陀如来。寛政年間（一七八九―一八〇一）の「邦内郷村志」に「常念寺 不退山浄土、岩城山崎専称寺末寺」とある。
慶長元年（一五九六）の草創で、開山は磐城の専称寺（現福島県いわき市）八世良潜の法子竜山と伝える（新撰陸奥国誌）。寛永九年（一六三二）三代藩主南部重直の田名部巡視の際、当寺が御仮屋にあてられたという。安永九年（一七八〇）には円通寺と恐山支配をめぐって争っていた蓮花寺が当寺にお預けになった（下北―自然・文化・社会）。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]佐和田町河原田本町
海岸寄りにある。浄土宗、我名山と号し、本尊阿弥陀如来。もと京都知恩院末。「佐渡国寺社境内案内帳」によると、開基は正蓮社行然、永禄六年（一五六三）河原田大坂町に建立という。行然は京都専修山正行寺（現京都市中京区）開基で、本山の一心院開山称念の弟子という。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]一宮市大江
柳星山護国院常念寺という。西山浄土宗。明徳元年（一三九〇）飛保（現江南市）の曼陀羅寺の空選召運の開山、現寺島町に一宇を建て真清田神社の本地仏と称し九品寺の阿弥陀仏をうけて本尊とした。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]広陵町大字広瀬
広瀬垣内の北西部に位置し、山号は金竜山、浄土宗。本尊阿弥陀如来。箸尾氏の菩提寺である。寺伝によれば、開基は浄海。第三代箸尾城（現広陵町）城主為次が出家して浄海と号し、初め極楽寺（現同上）に居住していたが、のち同寺の西に一寺を建立、これを常念寺と称したという。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]高岡市大手町
永森山と号し、本尊阿弥陀如来。浄土真宗本願寺派。文明一六年（一四八四）誓玄の開基という（貞享二年寺社由緒書上）。往時は永森村（現砺波市）にあり、坂東報恩寺門徒で、天文二〇年（一五五一）一月一七日に「永森誓賢 報恩寺下」が番衆として石山本願寺に上っている（天文日記）。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]小牧市舟津 寺前
青照山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊は阿弥陀如来。「小牧町史」によると、開基は伊勢山田（現伊勢市）の神職水無瀬正輔で、嘉禎元年（一二三五）親鸞に帰依し、建治二年（一二七六）岩倉村（現岩倉市）に来て一寺を創建した。正輔は法号を常徳と称し、寺を常徳坊と称した。
常念寺
じようねんじ
[現在地名]川西町上小松
川西町役場前にあり、解脱山と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。神亀五年（七二八）官使藤原朝興が当地に下向し、先祖相伝の護持仏である阿弥陀如来を移し、一宇の草堂を結び安置したことに始まると伝える。明徳三年（一三九二）下野国大沢山円通寺（現栃木県芳賀郡益子町）の良栄の弟子良無天柱が浄土宗に改め、解脱山無量寿院常念寺と称した。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
常念寺
山口県萩市にある浄土宗の寺院。1532年創建。安土桃山時代の武将、毛利輝元が萩築城の際に宿舎にしたとされる。表門は京都、聚楽第の裏門を移築したもので、国の重要文化財に指定されている。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
