普及版 字通 「履(漢字)」の読み・字形・画数・意味
履
常用漢字 15画
(異体字)
15画
[字訓] くつ・はく・ふむ・おこなう
[説文解字]
[字形] 会意
正字はに作り、尸(し)+彳(てき)+舟+夊(すい)。舟は履の象形。夊はこれを履く形。尸はかたしろ。葬礼のような儀礼の際に用いるものであろう。〔説文〕八下に「足の依るなり。尸に從ひ、彳に從ひ、夊に從ふ。舟は履の形に象るなり。一に曰く、尸の聲なり」とする。依・履は畳韻の訓であるが、尸は声が異なる。金文の〔大(だいき)〕に「大(人名)の賜へる里を(ふ)む」とあって、舟は履の形、頁は儀礼のときの姿。土地を賜わって、その地を践む践土の儀礼をいう。践土はのちの反閇(へんばい)にあたる。それよりして、履践・履行・履歴の意となる。
[訓義]
1. くつ、はきもの、儀礼用のくつ、いとぐつ、はく。
2. ふむ、あゆむ、めぐる。
3. ゆく、おこなう、おこない。ふみ、すすむ。位につく、一定の位置につく。
4. 釐(り)と通じ、さいわい、たまもの、たまう。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕履 久豆(くつ)〔名義抄〕履 フム・クツ・ハキモノ・ウヅム・ウマ・ヌグ・サイハヒ・ヲサム・ワラウヅ・オコナフ
[部首]
〔説文〕に(く)・(きよう)・屐(げき)など五字、〔玉〕に(し)・(しよう)などを加えて十字を属する。みな履の省形に従うとするものである。履は儀礼用のもので、その義を承けるものが多い。
[語系]
履lieiは遲(遅)diei、dyeiと声近く、遲・に舒緩・遅久の意があり、儀礼の際の動作をいう。〔礼記、玉藻〕に「君子の容は舒遲なり」とみえる。
[熟語]
履位▶・履運▶・履栄▶・履▶・履義▶・履▶・履虚▶・履▶・履傾▶・履▶・履▶・履屐▶・履潔▶・履謙▶・履袴▶・履候▶・履行▶・履痕▶・履歳▶・履糸▶・履歯▶・履尚▶・履蹤▶・履信▶・履真▶・履新▶・履正▶・履声▶・履迹▶・履▶・履跡▶・履籍▶・履▶・履祚▶・履組▶・履霜▶・履戴▶・履炭▶・履長▶・履貞▶・履度▶・履道▶・履任▶・履薄▶・履尾▶・履氷▶・履▶・履方▶・履立▶・履歴▶
[下接語]
衣履・越履・夬履・解履・革履・冠履・躬履・剣履・行履・糸履・履・履・失履・朱履・取履・杖履・縄履・正履・履・履・践履・賤履・素履・組履・草履・操履・脱履・躔履・登履・踏履・佩履・帛履・履・福履・平履・敝履・弊履・歩履・忘履・履・木履・幽履・遊履
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報