塞(漢字)

普及版 字通 「塞(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音] サイ・ソク
[字訓] ふさぐ・とりで

[説文解字]

[字形] 会意
正字は(そく)+土。は塞の初文。建物などの入口を、呪具の工を重ねて塡塞し、邪霊などをそこに封じこめる意。土は土主(土地神)。道路や辺境の要地に塞を設けて土神を祀り、異族神や邪霊の通行を禁ずる呪禁とした。〔説文〕十三下に「つるなり」とあり、また〔文選、西京の賦、注〕に引く〔説文〕に「は塞ぐなり」とあって互訓は神域を示す(ふ)(神梯の象)に鬲(れき)(壺の類)を埋めて、聖俗の境を示し、隔離する意。塞をまた、とりでの意に用いるのは、軍事的な施設に転用したものである。わが国の「塞(さえ)の神」が、古い用法である。

[訓義]
1. へだてる、ふさぐ、とどめる、とざす、邪神などを封じこめる。
2. みたす、おおう。
3. まもる、国境、とりで、辺塞
4. 賽と通じ、神仏にまいる、すごろくの賽。

[古辞書の訓]
和名抄〕塞 曾古(そこ) 〔名義抄〕塞 ツヒヤス・フサグ・ハカル・ソコ・ソフ・カクル・ヘダツ・セキ・ミテリ・アツチ 〔字鏡集〕塞 ミテリ・ハカル・アツチ・ミツ・ツヒヤス・ソコ・シゲル・フサグ・ヘダツ・カクス・マコト・セキ・フクツ・シホル・シゲシ・ソフ

[声系]
〔説文〕は(てん)部五上に属するが、その部には展を属すべく、は宀(べん)部に従うべきであろう。塞声の字に寨・賽の字があるが後起。城塞・辺塞に木柵を用いることが多かった。「塞の神」に祈ることを賽といい、塞の初義を知ることができる。

[熟語]
塞囲・塞垣・塞翁・塞下塞笳・塞外・塞関塞雁塞徼・塞具塞鴻・塞上塞斥・塞卒・塞地・塞・塞内・塞北・塞令・塞意・塞噎・塞淵・塞詰・塞・塞源・塞口・塞耳・塞職・塞心・塞井・塞声・塞・塞責・塞絶塞塞塞匿・塞閉塞黙・塞門塞壅
[下接語]
遏塞・陰塞・隠塞・盈塞・咽塞・掩塞・遠塞・鬱塞・横塞・河塞・隔塞・活塞・捍塞・関塞・檻塞・雁塞・旧塞・窮塞・拒塞・距塞・空塞・啓塞・険塞・古塞・固塞・孤塞・荒塞・哽塞・梗塞・沙塞・朔塞・山塞・四塞・充塞・出塞・障塞・城塞・斥塞・責塞・絶塞・滞塞・築塞・窒塞・塡塞・杜塞・内塞・入塞・廃塞・塞・閉塞・塞・辺塞・補塞・報塞・防塞・北塞・密塞・厄塞・要塞・臨塞・路塞・鹿塞

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android