普及版 字通 「傾(漢字)」の読み・字形・画数・意味
傾
常用漢字 13画
[字訓] かたむく・あやうい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は頃(けい)。頃は神霊の降下するのを迎えて、これに稽首する形。稽は金文にに作り、旨は詣の初文。その旨は甘旨の字とは別。稽首の姿勢を傾という。〔説文〕八上に「仄(そく)なり」と傾仄の意とし、傾危・危急の意となる。〔詩、大雅、〕「大命に傾く」とは、国勢の危急に陥ることをいう。
[訓義]
1. 身を傾ける。神に稽首する姿勢。
2. ひくめる、ふす、ななめ、したがう。
3. かたぶく、あやうい。
4. 一方が高く、一方がさがる。あがる、そばだつ。
5. きそう、やぶれる、おとろえる、ほろびる、つきる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕傾 カタブク・ウゴク・オツ・ヲシフ・コゾル・マジハル 〔字鏡集〕傾 ウゴカス・オツ・ウゴク・ウヤマフ・コゾル・ユルス・カマチ・ヲシフ・マジハル・カタブク
[語系]
頃・傾khiuengは同声。頃は傾の初文。匕(ひ)は右向きの人の形で、上より神霊の降下する象。頁(けつ)は礼容を整えてそれを拝する形。祝詞を奏して神霊を迎えることを詣・といい、金文に稽首を首に作る。稽・(〔説文〕はに作る)kieiは同声、拝する形。その相並んで霊の降下することを皆・傾・階keiという。みな関連のある語である。
[熟語]
傾倚▶・傾意▶・傾殞▶・傾雲▶・傾偃▶・傾下▶・傾家▶・傾回▶・傾蓋▶・傾▶・傾陥▶・傾危▶・傾葵▶・傾崎▶・傾欹▶・傾棄▶・傾毀▶・傾虧▶・傾羲▶・傾僵▶・傾襟▶・傾竭▶・傾月▶・傾険▶・傾壺▶・傾巧▶・傾向▶・傾国▶・傾刻▶・傾魂▶・傾志▶・傾貲▶・傾資▶・傾耳▶・傾膝▶・傾瀉▶・傾写▶・傾斜▶・傾邪▶・傾首▶・傾酒▶・傾銷▶・傾觴▶・傾城▶・傾昃▶・傾心▶・傾身▶・傾尽▶・傾逝▶・傾絶▶・傾羨▶・傾想▶・傾仄▶・傾▶・傾堕▶・傾▶・傾奪▶・傾脱▶・傾談▶・傾注▶・傾聴▶・傾墜▶・傾跌▶・傾▶・傾吐▶・傾頭▶・傾倒▶・傾動▶・傾頓▶・傾▶・傾佩▶・傾杯▶・傾排▶・傾敗▶・傾▶・傾▶・傾仆▶・傾風▶・傾覆▶・傾慕▶・傾望▶・傾▶・傾没▶・傾翻▶・傾盆▶・傾目▶・傾誘▶・傾容▶・傾揺▶・傾陽▶・傾落▶・傾乱▶・傾慄▶・傾淪▶・傾惑▶
[下接語]
倚傾・右傾・雲傾・欹傾・葵傾・玉傾・巧傾・左傾・斜傾・酒傾・心傾・神傾・側傾・半傾・靡傾
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報