五目飯(読み)ごもくめし

精選版 日本国語大辞典 「五目飯」の意味・読み・例文・類語

ごもく‐めし【五目飯】

〘名〙 肉、野菜などいろいろのものを細かく切って、まぜてたきこんだ飯。かやく飯五目
浄瑠璃物ぐさ太郎(1749)四「はっと下(しも)部が物相(もっさう)へ、一つに打込むごもく飯(メシ)

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デジタル大辞泉 「五目飯」の意味・読み・例文・類語

ごもく‐めし【五目飯】

野菜・魚・肉などを細かく切ったものをまぜて炊き込んだ飯。加薬飯かやくめし
[類語]めしライス麦飯冷や飯強飯こわめしこわ赤飯炊き込みご飯混ぜご飯釜飯茶飯鮨飯舎利握り飯おにぎりお結び

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五目飯」の意味・わかりやすい解説

五目飯
ごもくめし

炊き込みご飯、または混ぜご飯の一種。かならずしも5種の材料でつくるのではなく、数多くの材料を用いてある意である。材料は、かんぴょうシイタケニンジンタケノコフキ蓮根(れんこん)、こんにゃく昆布ミツバキクラゲ油揚げなどを用いる。動物性のものでは卵、エビ、アワビハマグリや、スズキ、タイなどの白身魚を使う。材料をせん切り、乱切り、あられ切りなどにして調味料を加えて、米といっしょに炊き上げる。材料によっては下煮してから加えるものもある。江戸時代の『料理調法集』にも出ている。五目飯の名称は主として関東の用語で、関西ではかやく飯という。上にのせたり飯に混ぜる材料を関東では具といい、関西では加薬(かやく)という。五目ずしは酢飯を用いての五目飯である。中国料理では五珍十錦(きん)などの文字を用いる五目飯は、だいたい栄養価が高い。

多田鉄之助

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改訂新版 世界大百科事典 「五目飯」の意味・わかりやすい解説

五目飯 (ごもくめし)

肉,魚,野菜,その他さまざまな具に味をつけて飯に混ぜ,あるいは炊きこんだ飯。江戸時代には骨董飯と書いて〈ごもくめし〉と読ませた。より古く芳飯(ほうはん)(包飯,苞飯,法飯とも書く)と呼ばれたのも同じもので,《料理網目調味抄》(1730)に〈鳧(かも)飯,雉子(きじ)飯,鰝(えい)飯,めばる飯,初茸・松茸めし,皆鶏飯悖(けいはんもどき)にして芳飯也,……又葱(ねぎ),牛旁(ごぼう),しめじ,椎茸,芹,焼麩,何れも線に切(きり),味付(あじつけ),飯に覆たる皆包飯也〉とある。好みの材料をこまかく切って調味し,茶飯ふうに炊きあげた飯に混ぜるか,米に混ぜて炊きあげる。釜飯もこの一種であり,五目ずしはすし飯を使ったものである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五目飯」の意味・わかりやすい解説

五目飯
ごもくめし

炊き込み飯の一種。飯を炊くときに数種の具を入れるので五目といい,塩,醤油,酒で味をつけて炊く。中に入れる具は彩りや味の取り合わせを考え,鶏肉,シバエビ,貝類,油揚げ,シイタケ,たけのこ,ニンジン,ゴボウ,グリーンピースなどを使う。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「五目飯」の解説

ごもくめし【五目飯】

野菜・油揚げ・鶏肉など種々の具を入れた炊き込みご飯。◇「五目ご飯」ともいう。また、主に関西で「かやくめし」「かやくご飯」ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の五目飯の言及

【芳飯】より

…飯の上に,5種のものを盛るのが通例だったらしいが,その5種を春夏秋冬と土用になぞらえて置く置き方や,それをどのように食べていくかという食べ方などが,いろいろな故実書に書かれている。ただし,それらの記述は決して統一的なものではなく,雑然たる印象を残すのみであるが,要するに芳飯とは五目飯だったようである。貞享・元禄(1684‐1704)ころの江戸では,のちにはたけのこ飯を名物とした目黒で,浪屋の芳飯というのが有名だった。…

【飯】より

…江戸時代,東海道目川(めがわ)宿(現,滋賀県栗太郡栗東町)の名物として知られた菜飯は,カブやダイコンの葉をゆでて刻み,塩味をつけて飯に混ぜたもので,奈良茶と呼ばれた茶飯とともに広く普及したものであった。たけのこ飯,クリ飯,マツタケ飯,五目飯,あるいは芳飯(ほうはん)なども,すべてこうした変り飯である。ほかに,各種の茶漬,握りずしや押しずしなどのすし,ウナギ丼その他の丼物()といった日本独特の米飯料理も行われている。…

※「五目飯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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