こんぶ【昆布】
〘名〙
褐藻(かっそう)類コンブ科に属する
海藻。
葉状体は革質で褐色を帯び、長さ二~六メートル、幅六~三〇センチメートルになり、
外見上、葉、茎、根に区別できる。
マコンブ、
リシリコンブ、
ミツイシコンブ、
トロロコンブなど一〇種類あまりに分類される。宮城県以北の寒海で干潮線より深い岩礁上に生じる。食用、祝賀用、ヨード製造用などにされる。ひるめ。
ひろめ。えびすめ。
こぶ。《季・夏》
※続日本紀‐霊亀元年(715)一〇月丁丑「先祖以来貢二献昆布一、常採二此地一、年時不レ闕」
[語誌](1)「本草和名」には「和名比呂女、一名衣比須女」とあるが、
ヒロメは幅が広いことから、
エビスメは
蝦夷(えびす)産が多いことから付けられた名と考えられる。
(2)「色葉字類抄」に「コンフ」、「伊呂波字類抄」に「コフ」とあり、中古末にはすでに「こぶ」「こんぶ」の両称が行なわれていた可能性があり、その併称は今日までつづいている。その
語源を
アイヌ語とする説もあるが、漢名の
音読によるとする説もある。
(3)古くから
慶祝の
儀礼に用いられることが多く、近世以降、「よろこぶ」とかけて
縁起物とされた。
こぶ【昆布】
※
名語記(1275)五「
海草のこぶ、如何。こぶは混布とかけり」
[
補注]本項関連の子見出し項目は「こんぶ(昆布)」の項にまとめた。
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デジタル大辞泉
「昆布」の意味・読み・例文・類語
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昆布[温泉] (こんぶ)
北海道南西部,後志(しりべし)支庁磯谷(いそや)郡蘭越(らんこし)町と虻田(あぶた)郡ニセコ町にまたがって点在する温泉群の総称。泉質は純食塩泉で,泉温42~53℃。ニセコアンヌプリ(1308m)の南西麓の高原にあるため,秋は紅葉,冬はスキーが楽しめる。JR函館本線ニセコ駅からバスの便があり,ニセコ観光の拠点としてにぎわう。
執筆者:谷沢 明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
普及版 字通
「昆布」の読み・字形・画数・意味
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昆布 (コンブ)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の昆布の言及
【ニセコ[町]】より
…人口4641(1995)。東は羊蹄山,北はニセコアンヌプリ,南は昆布岳に囲まれた山間盆地にあり,中央を尻別川が西流する。集落は盆地部に散在し,市街地は尻別川と支流真狩(まつかり)川の合流点にある。…
※「昆布」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」