デジタル大辞泉
「加薬」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
か‐やく【加薬】
〘名〙
① 漢方薬で、主要薬の効果を増すため、あるいは飲みよくするために、少量の補助薬を加えること。また、その薬。
※虎明本狂言・人馬(室町末‐近世初)「ぢんひ・かんざう・色々の
かやくを」
② 料理の香辛料。薬味。さんしょう、ごま、
しょうが、からし、ねぎなどの類。
③ 主として関西で、めん類、
茶碗蒸(ちゃわんむし)、飯などに加え、またはまぜる諸種の具
(ぐ)をいう。たね。肉や野菜などの類。
※
素人庖丁‐初(1803)「加益
(カヤク)に遣ふ物、鯛 かれにてもよし、赤貝、あはび、
玉子 うすやき、木くらげ、小しそ、まつな、其余しいたけなど遣ふもよし」
[語誌]②の「運歩色葉」の例からわかるように中世頃には、文字通り薬を加える意から、付け合わせ、薬味の意としても用いられるようになったものと思われる。③に関して、米と、増量のために加えた混ぜ物をともに味つけして炊いたもの、すなわち、一般に関東で「五目飯」と呼ばれるものを、関西では「
加薬飯」という。
くわえ‐ぐすり くはへ‥【加薬】
〘名〙
食べ物に
香料として添えるもの。薬味。かやく。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
かやく【加薬】
①炊き込みご飯やうどんなどに入れる肉や野菜などの具。
②薬味。⇒薬味
③和え物の、和え衣で和えられる材料。
④鍋料理などで、肉・魚などの主たる材料に取り合わせる野菜・豆腐など。◆主に関西でいう。もとは、漢方で主薬に補助の薬を少量加えることをいう。
出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の加薬の言及
【薬味】より
…日本料理に用いる香味料。加薬(かやく)ともいう。できあがった料理に加えて風味を増し,食欲を進めるために用いる。…
※「加薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」