出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
江戸研究家。東京八王子に,三田村善平の次男として生まれた。本名玄竜。20歳ごろまでは三多摩の壮士として活動したという。1894年《中外商業新聞》の記者として日清戦争に従軍したが,病を得て帰国,寛永寺の大照円朗を知り,戦後,得度受戒した。30歳のときより執筆を始め《読売新聞》に掲載されたが,1903年甲府で《山梨日日新聞》などの記者となってより〈甲斐方言考〉を《風俗画報》に連載し,水戸,名古屋へと移るに従って,近世研究に入っていった。やがて赤穂義士,吉良上野の探求となり,10年政教社社員となる。以後主として《日本及日本人》誌に江戸研究の成果を続々と発表した。範囲は広く,大名,旗本,お家騒動,敵討,御殿女中,遊廓,年中行事,捕物,泥棒,角力,小説など,江戸生活諸般に及び,さらに江戸研究誌《江戸読本》を創刊するなど,江戸研究に果たした功績は多大であった。《三田村鳶魚全集》全27巻,別巻1巻がある。
執筆者:朝倉 治彦
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江戸時代研究者。東京・八王子の生まれ。本名玄龍(げんりゅう)。江戸の政治、風俗、文学、文化のすべてにわたって研究し、膨大な業績を残した。『江戸の珍物』(1913)、『伊賀の水月』(1918)、『江戸ッ子』(1933)、『捕物の話』(1934)など在野の研究者として、その著作は多く読み物の形をとっており、その点学問研究としてもの足らない点もあるが、今日の江戸学研究の基礎を築いたものとして認められる。
[神保五彌]
『『三田村鳶魚全集』全27巻・別巻1(1975~83・中央公論社)』▽『『三田村鳶魚・江戸ばなし』全10巻(1965~66・青蛙房)』
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