デジタル大辞泉
「一巻」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ひと‐まき【一巻】
〘名〙
① 一度巻くこと。
※羅葡日辞書(1595)「Spiræ〈略〉クビニ カケタル クサリ ナドノ fitomaqi(ヒトマキ)、フタマキ」
② 巻いてある物の一つ。
反物・巻物・巻いた糸などの一つ。また、一つの本。いっかん。
※関戸本三宝絵(984)中「たもてりし法花経のあはせてひとまきにせるあらん」
③ 連歌・連句で歌仙・百韻・千句などの一つの作品。
※
普賢(1936)〈石川淳〉一〇「吠えかかった地廻りの一巻
(ヒトマキ)かと息を呑む暇もなく」
⑤ 物事の一切合財。また、事件の一部始終。全部。
⑥ 一件。
いち‐まき【一巻】
〘名〙
② 事件の一部始終。また、ものごとの全部。いっさい。
※
浄瑠璃・
自然居士(1697頃)三「命を限りに尋あひ、此一まきを云わけし」
③ 血縁で結びついた集団。一族。また、集合したり同行したりしている一団。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一(1761)八月五日「い
ちまきが寄るとはなしのおもしろさ」
※
破戒(1906)〈
島崎藤村〉一「一族
(イチマキ)の『お頭
(かしら)』と言はれる
家柄であった」
いっ‐かん ‥クヮン【一巻】
〘名〙
① 巻いてあるものの一つ。おもに書物、フィルムなどにいう。巻物になっていない書物などにも用いられる。
※続日本紀‐天平一九年(747)一〇月辛卯「著二述愚志一巻一論二僧尼之事一」
② いくつかに分かれたものの最初の巻。第一巻。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報