あさぎり(町)(読み)あさぎり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あさぎり(町)」の意味・わかりやすい解説

あさぎり(町)
あさぎり

熊本県南東部、球磨郡(くまぐん)にある町。2003年(平成15)免田(めんだ)町、上(うえ)村、岡原(おかはる)村、須恵(すえ)村、深田村が合併して成立。人吉(ひとよし)盆地の中東部を占め、町域の中央を流れる球磨川に沿って、くま川鉄道、国道219号が通じる。主産業は農林業で、球磨川沿いの中央部低地では稲作、葉タバコなど、台地では野菜、飼料作物の栽培が盛んである。北部と南部は山がちで、林業が主。町の中心地域である免田地区は、免田式土器とよばれる弥生(やよい)土器が出土したことで知られる。北部の須恵地区は、シカゴ大学の社会人類学者ジョン・F・エンブリーJohn Fee Embree(1908ー1950)がその著書『SUYE MURA』によって、第二次世界大戦前の日本農村の典型として、世界に紹介した地域である。面積159.56平方キロメートル、人口1万4676(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android