龍谷寺(読み)りゆうこくじ

日本歴史地名大系 「龍谷寺」の解説

龍谷寺
りゆうこくじ

[現在地名]盛岡市名須川町

本誓ほんせい寺の北の清養せいよう院の北隣に位置する。虎岳山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。寛永年間(一六二四―四四)報恩ほうおん寺六世善室梵積の開基で、寺社修験本末支配之記(内史略)に同寺末とある。内史略本「盛岡砂子」によると、北の報恩寺前から南へ下る坂は松坂まつざかと称され、かつての大街道とされる。当寺はその南角にあたる。なお松坂の北は奈須賀なすかまたは奈須川なすかわ(名須川)とよばれ、付近から出る土は細かい粘り気の強いもので家壁用に適し、城下のすべての家作に用いられたという(同書)。盛岡三十三観音のうちの第二一番桜川観音の札所で、片葉の葦の伝説がある。前掲「盛岡砂子」に「此境内北の方に池有、片葉の葦を生す、昔は池中の葦皆悉く片葉也」と記され、また「松坂は昔し義家、安部党を滅し、宗任をひきいて上洛の時、此松坂に来りて宗任申けるは、擒囚の身と云なから、上京に此鎧は見苦敷迚、此所にて鎧を着替けると云、是より此池の上を着替か島と云」ともあるが、池は現在消滅している。

龍谷寺
りゆうこくじ

[現在地名]大和町大崎 十二原

大崎おおさきの南、堂平どうだいら山北麓にある。曹洞宗、八海山と号し、本尊阿弥陀如来。古くは天台宗であったがのち真言宗に改まり、さらに曹洞宗となったという。縁起によると、堂平山中腹にあった六万ろくまん寺が前身とされる。「新編会津風土記」では、天文年中(一五三二―五五)に上野国嶽林がくりん(現群馬県利根郡月夜野町)の二世宗積が堂平山より現在地に移すとある。本堂裏に八海はつかい神社がある。八海山中興開山の一人泰賢が一時ここに籠ったといわれ、泰賢の所持した不動尊像などが保管される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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