境内(読み)けいだい

精選版 日本国語大辞典 「境内」の意味・読み・例文・類語

けい‐だい【境内】

〘名〙 (「けい」「だい」は、それぞれ「境」「内」の漢音)
境界内側。しきりの内部
※古梓堂所蔵文書‐延長七年(929)七月一四日・伊勢国飯野荘太神宮勘注「六大国里十七箇坪并七大国里二箇坪等、多気郡為境内、従古昔授給百姓口分田已了」 〔韓非子‐内儲上〕
② 特に、神社寺院敷地の内側。
※続日本紀‐神護景雲元年(767)四月癸卯「祷祀境内有験神祇
国有林野法(明治三二年)(1899)三条社寺上地にして其の境内に必要なる風致林野は」

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デジタル大辞泉 「境内」の意味・読み・例文・類語

けい‐だい【境内】

境界の内側。区域内
特に、神社・寺院の敷地内。
[類語]寺内山内寺中神域神苑

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普及版 字通 「境内」の読み・字形・画数・意味

【境内】きよう(きやう)ない・けいだい

社寺の域内。国内。〔荘子秋水子、濮水にす。楚王、大夫二人をしてきて先んぜしむ。曰く、願はくはを以て累(わづら)はさんと。子、竿を持してみず。

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改訂新版 世界大百科事典 「境内」の意味・わかりやすい解説

境内 (けいだい)

社寺の建物を中心に,種々の宗教行事を行うためのしきりの内側。境内は古来から無税地が原則で,また守護不入の地として俗権の及ばぬところが多く,軍兵の乱入,喧嘩口論,乱妨狼藉(らんぼうろうぜき),生類の殺生が禁ぜられ,社寺の宰領にまかせられた。境内は神聖にしていわば平和な場所で,祭礼法会(ほうえ)の当日,中世以来種々の芸能がよく興行された。能や狂言,流鏑馬(やぶさめ),犬追物,軽業(かるわざ),相撲,浄瑠璃,芝居,見世物,ときには博奕(ばくち)の興行がそれであり,とくに近世になると,祭礼当日の境内は庶民の解放の場となった。これら興行の勧進元として,門前町に〈仁義の衆〉と呼ばれる顔役も生まれた。
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