住職(読み)じゅうしょく

精選版 日本国語大辞典 「住職」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐しょく ヂュウ‥【住職】

〘名〙
① (━する) 寺を守り保つこと。また、その職務住持(じゅうじ)職分
古事談(1212‐15頃)一「大入道殿、一条院御時、令職曹司給」
② 寺の長である僧。住持。
※社寺取計留‐新義真言宗年限住職(古事類苑・宗教三二)「住職拾箇年に限り候古例之由、俊山並びに正収院申し立ては」

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デジタル大辞泉 「住職」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐しょく〔ヂユウ‐〕【住職】

寺の長である僧。住持。
[類語]僧侶坊主坊さん御坊お寺様僧家沙門法師出家比丘僧徒桑門和尚住持方丈入道雲水旅僧

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改訂新版 世界大百科事典 「住職」の意味・わかりやすい解説

住職 (じゅうしょく)

一般的には,一寺を管領する最高位の僧職をさす。古くからある住持職住持)の略称。住職になることを出世(しゆつせ)といい,住職として実際にその寺に入ることを入院(じゆいん),あるいは晋住(しんじゆう),また晋山(しんざん)という。住職という呼称は,今日では宗派を問わず多く用いられているが,歴史的にみると,寺院最高位の僧職の呼称は時代により宗派により,またそれぞれの寺院によって,さまざまの異称や尊称がある。南都系や平安仏教系寺院では寺主(じしゆ),維那(いな),院家(いんけ),隠元いんげん),浄土真宗や日蓮宗(法華宗)や時宗では上人(しようにん),禅宗では方丈,和尚,住持,長老ちようろう)などの,住職をさす尊称がそれである。また,由緒ある大寺院ではその寺固有の歴史的呼称もある。たとえば,皇室ゆかりの名刹では,平安時代から勅許によって門跡門主)の称が許され,いわゆる門跡寺院が現れた。また,延暦寺は座主(ざす),園城(おんじよう)寺(三井寺)は長吏,東寺は長者西大寺は長老,本願寺法主(または門跡),東大寺,興福寺,法隆寺別当,日蓮宗諸本山は貫主(かんじゆ)(貫首),近世の檀林などの宗学研鑽の寺では能化(のうけ),化主などと,その寺独自の呼称があった。そして,近代ではこれら大寺院は宗派を超えて管長と称すことも多い。前近代には,私寺の住職は先住の意志や檀家評定,官寺系の大寺では天皇綸旨や将軍公帖(こうじよう)で任命されることが多く,また由緒ある寺院では勅許で紫衣(しえ)が住職に許されることもある。住職の資格,権限,任期などは時代により,各宗・各寺院により一定しない。しかし,江戸幕府は寺院法度を発布して,各宗それぞれの伝統を尊重しながら,得度以後の年﨟,碩学度などを重視した住持の資格を明示し,また末寺住職に対する本寺住職の権限強化を保障し,寺院統制を行った。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「住職」の意味・わかりやすい解説

住職
じゅうしょく

住持

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