南魚沼郡(読み)みなみうおぬまぐん

日本歴史地名大系 「南魚沼郡」の解説

南魚沼郡
みなみうおぬまぐん

面積:九四〇・一八平方キロ(境界未定)
湯沢ゆざわ町・塩沢しおざわ町・六日むいか町・大和やまと

県の南端に位置する。東辺の群馬県境には、最南端の白砂しらすな(二一三九・七メートル)を最高峰として平標たいらびよう山・せんくら山・万太郎まんたろう山・谷川たにがわ岳・茂倉しげくら岳などの三国山脈および大烏帽子おおえぼし山・巻機まきはた山・丹後たんご山と北魚沼郡境のなかノ岳・こまヶ岳など一七〇〇―二〇〇〇メートル級の高山が南北に連なり、西方は苗場なえば(二一四五・三メートル)とその連峰を除けば、概して一〇〇〇メートル以下の魚沼丘陵で中魚沼郡・十日町市と境する。南は長野県下水内しもみのちさかえ村、群馬県吾妻あがつま六合くに村・中之条なかのじよう町、東は同県利根とね新治にいはる村・水上みなかみ町、北は北魚沼郡湯之谷ゆのたに村・小出こいで町・堀之内ほりのうち町、西は十日町市・中魚沼郡中里なかさと村・津南つなん町。中央を三国山脈に源を発する信濃川支流の魚野うおの川がほぼ北流し、湯沢町塩沢町六日町大和町を縦貫して左右両岸に沖積平地を形成する。魚野川に並行するように三国峠越で関東に通じる三国街道(現国道一七号)が通る。途中六日町で分岐して清水しみず峠越で関東に通じる清水道(現国道二九一号)および魚沼丘陵越で十日町―松代まつだい(現東頸城郡松代町)経由で府中ふちゆう(現上越市)へ通じる道(現国道二五三号)がある。

〔原始・古代〕

郡内には弥生期から古墳時代の遺跡が多い。塩沢町・六日町・大和町には円墳を主体とした群集墳の形態をもつものが多い。六日町余川よかわにある蟻子山ありごやま古墳群と飯綱山いいづなやま古墳群とは位置的にも対峙し、魚野川流域で規模が最も大きく、時代はともに六―七世紀と推定されている。「和名抄魚沼いおぬ郡は、魚野川の灌漑地域を基盤として成立したと考えられる。同書魚沼郡四郷のうち賀祢かね剌上やぶかみ千屋ちやの三郷は各々魚野川上・中流と信濃川との合流地域に比定する説があり、「延喜式」神名帳魚沼郡五座のうち魚沼神社・大前おおさき神社・坂本さかもと神社の社号を称する神社が存在する。川合かわい神社・伊米いめ神社も信濃川との合流点より川下に各々社号を称する神社がある。ただし伊米神社は苗場山頂や小出町の伊米いめさきにも同名社がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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