デジタル大辞泉
「高度」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
こう‐ど カウ‥【高度】
〘名〙
※日本風俗備考(1818頃)七「星学は日本人殊に精研せり〈略〉土地の高度距離長短を
算測するに至れり」
※春六題(1921)〈
寺田寅彦〉六「
磁石とコムパスで此等の雲の大凡の
方角と高度を測って」
②
天文学で、天体またはそのほかの
物体が、観測点における
重力の方向に垂直な水平面となす角度。水平面から
上方をプラス、
下方をマイナスとして測定する。仰角。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
③ (形動) 物事の度合が高いさま。
※己が罪(1899‐1900)〈
菊池幽芳〉前「遂に高度
(カウド)の憂欝症に陥いったものですな」
※憲法講話(1967)〈
宮沢俊義〉七「
政党の組織が高度に発達して」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
高度 (こうど)
altitude
elevation
(1)地理学の高度。基準面から測ったある地点までの垂直距離で,海抜高度あるいは標高という。日本では〈東京湾中等海面〉を基準面としている。
(2)天文学の高度。目標とする点が水平方向よりどれだけ上の方向に見えるかを示す角度のこと。〈太陽の南中する高度は55度〉というように使われる。仰角ともいう。地平座標の一つで,目標点がどの方向にあるのかを正確に表すため,方位角とともに用いられることが多い。
(3)航空機の高度。一般に高度といわれるのは,空中のある点からその直下の地表または海面までの垂直距離のことで,厳密には絶対高度absolute altitudeと呼ばれている。すなわち,山岳地を飛行しているときは航空機から山岳表面までの垂直距離である。これに対し,標準大気の気圧と高度との関係を基準にし,ある高さの実際の大気圧をその基準にあてはめて得られる高度の値を気圧高度pressure altitudeという。気圧高度は一種の想定値であって,実際の大気の状態が標準大気と違うことがしばしばある。この場合,気圧高度の値に,標準大気と実際の海面上の気圧との間の差を補正し,海面からの高度に直した値を真高度と呼んでいる。また,空中のある点の空気密度を標準大気の密度と比較し,それに相当する高度を密度高度という。さらに航空機に特有のものとして,機体の与圧室内の圧力に相当する標準大気の高度を与圧高度といっている。航空機の飛行高度を表すには,巡航中は気圧高度を使うのがふつうであるが,低空では,電波高度計による絶対高度が用いられることが多い。
執筆者:長沢 工+関川 栄一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
高度【こうど】
(1)天体と天頂を結ぶ大円に沿って地平線からその天体までを測った角度。地平線より上(下)なら正(負)とする。(2)地形でいう高度(標高)は海抜高度をさす。
→関連項目天頂距離
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高度
こうど
altitude
天文学では,地平線から天体までの角距離 (視距離 ) をいう。地球上の観測者は,天体の位置を表わすのに高度と方位角を使う地平座標を用いる。天体の真の位置を示すには,大気による屈折の効果 (→大気差 ) を補正して,真の高度を求める必要がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の高度の言及
【標高】より
…基準面から測ったある地点までの垂直距離をいう。基準面は海面を選ぶ場合が多いので,海抜または海抜高度と呼ばれることもある。日本における陸地の高さ(標高)は,明治10年前後の東京湾の平均海面を基準面として,水準原点(東京都千代田区永田町1丁目1番地の水準標石の零分区画線)の高さを平均海面上24m4140とし,これを基準として測定されたものである。設置した当初は24m5000であったが,関東大地震(1923)後の再測によりこの数値となった。…
【地平座標】より
…地球上のある点から,天体,遠く離れた山の頂,ある瞬間の航空機の位置など,何か目標となる点の方向を正確に示すことを考えたとしよう。この表し方はいくつかあるが,もっともふつうに使われるのは,その方向を方位を示す角(方位角)および地平線からの高まりを示す角(高度)の二つの量によって表す方法である。これによると,例えば,東京で見る北極星の方向は,方位角―北(から東回りに0度),高度―35度というように表すことができる。…
※「高度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」