青蓮寺(読み)しようれんじ

日本歴史地名大系 「青蓮寺」の解説

青蓮寺
しようれんじ

[現在地名]多良木町黒肥地

黒肥地くろひじのほぼ中心地の県道三三号沿いにある。亀田山と号し、真言宗智山派。本尊阿弥陀三尊。相良頼宗が永仁三年(一二九五)曾祖父頼景の菩提を弔うために廟を建立し、同六年廟側に青蓮寺を建立。寺名は頼宗の後室須恵氏青蓮尼から名付けたといわれる。嘉吉三年(一四四三)藤原虎寿丸(相良尭頼)、天文一一年(一五四二)朝海によって阿弥陀堂が修造された。天正一〇年(一五八二)と思われる一〇月二四日の願成寺勢辰書状(願成寺文書)によると、相良義陽の弔いのための勤行執行を青蓮寺にも命じている。

青蓮寺
しようれんじ

[現在地名]鎌倉市手広

西にしやつにある。飯盛山仁王院と号し、高野山真言宗。本尊弘法大師像(国指定重要文化財)は鎖大師として有名。開山弘法大師。尊賢法親王が中興、長禄年中(一四五七―六〇)善海が再中興したと伝える(寺蔵古義真言宗本末寺院明細帳)。もと高野山無宝寿むほうじゆ院末。天正一九年(一五九一)一一月に、徳川家康が先例に任せて寺領二五石を寄進(「徳川家康寺領寄進状案」鎌倉市史史料編一)。江戸時代には関東檀林三四院の一つで、中本寺となっていた。寺伝では天保四年(一八三三)火災があったといい、同年に新たに作られた過去帳がある。

青蓮寺
しようれんじ

[現在地名]尾島町岩松 本郷

岩松いわまつ地域を東西に貫通する国道三五四号の北方にある。岩松山義国院と称し時宗。本尊は阿弥陀三尊。寺伝では開基は源義家の三男義国、開山は源祐律師で、はじめ律宗であった。四世源心の頃関東布教の一遍の化益を受け、時宗に改宗したと伝える。「国志」などによれば、岩松政経(青蓮寺殿)が時宗に帰依し、念仏道場として寺容を整えたものとみられる。当時の寺地は、東南東二〇〇メートルの石標「岩松山旧跡」付近といわれる。現在の寺地は北側に堀と土塁があり、岩松氏の館跡とも推定されている。永正六年(一五〇九)新田庄に岩松尚純を訪ねた柴屋軒宗長が連歌を詠んだ「岩松の道場」は(東路の津登)、青蓮寺であろうか。

青蓮寺
しようれんじ

[現在地名]吉備町天満

藤並ふじなみ神社(天満天神社)に接して位置する。もと今城こんじよう寺と称し、天満天神社の別当寺として本坊・三院・六坊を有した。天王山明王院と号し、救世観音宗。本尊十一面観音。現存の本堂は室町時代の建造物、ほかには盛時をしのぶものはほとんど残らない。当寺の縁起略に「複長久年中焔焼、康治比近衛皇代覚範上人御取立又元応年中焔焼数度の火難、天正之比大閤御代御造営高百弐拾石御寄進」とあり、度重なる火災によって衰退したと思われる。

青蓮寺
しようれんじ

[現在地名]水府村東連地 繁原

山田川西岸台地の南下にある。浄土真宗本願寺派で王跡山と号する。本尊は阿弥陀如来。当寺縁起(「水府村史」所収)によると、天武天皇が即位前この地を訪れ、仏像ならびに上宮太子の像を安置し、後鳥羽院二の宮周観が下向して王跡山極楽院瑞巌ずいがん寺と号し、天台の法流を伝えたという。のち畠山重忠の子重秀が出家して親鸞の弟子となり、法号を性証と称して建保六年(一二一八)ここを訪れ、堂宇を建て寺号を青蓮寺と改めたという。

青蓮寺
しようれんじ

[現在地名]桐生市西久方町一丁目

桐生市内唯一の時宗寺院。市街地の北、桐生天満宮の西方に位置。仏手山義国院と号する。桐生親綱を滅ぼした由良成繁が天正三年(一五七五)新田領内岩松いわまつ(現新田郡尾島町)の同名の寺を移建したという(天正遺事「桐生市史」所収)。のち、寺運は一時衰退し、無住の時期もあったようだが江戸時代中期以降、桐生織物の活況に支えられ、信徒による改築、寄進がなされた。

青蓮寺
せいれんじ

[現在地名]菟田野町大字宇賀志

宇賀志うかし川上流、日張ひばり(五九五メートル)の南中腹にあり、中将姫遺跡と伝える。日張山と号し、浄土宗。本尊は中将姫一九歳の姿を模した法如坐像。四注造・茅葺の本堂、阿弥陀堂・鐘楼などがあり、古文書大和国宇多郡日張山青蓮寺縁起など多くの縁起類を所蔵する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「青蓮寺」の解説

青蓮寺

奈良県宇陀市にある寺院。「せいれんじ」と読む。山号は日張(ひばり)山、院号は成就院。宗派は浄土宗、本尊は阿弥陀如来。藤原豊成の娘、中将姫が765年に建立したとされる。謡曲「雲雀山(ひばりやま)」の舞台。

青蓮(しょうれん)寺

熊本県球磨郡多良木町にある真言宗智山派の寺院。山号は亀田山。1298年創建。阿弥陀堂と本尊の木造阿弥陀如来像および両脇侍像は国の重要文化財に指定。

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