鏡像【きょうぞう】
(1)一つの直線または平面に関し対称な2点があるとき,一方を他方の鏡像という。(2)平面上に中心O,半径rの円があり,平面上のO以外の点Pが半直線OQ上にあって,OP×OQ=r2であるとき,2点P,Qは円Oに関し互いに鏡像の位置にあるという。(1)は(2)でrが無限大の場合に相当。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
きょう‐ぞう キャウザウ【鏡像】
〘名〙
① 鏡に映った姿。
※宝覚真空禅師録(1346)乾・
陞座・供千僧会為関東前将軍十三周追薦「鏡像魔軍、不
レ伏而伏」
④ 二つの物体の物理的関係が
面対称であるとき、一方を、他方に対していう
ことば。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「鏡像」の意味・読み・例文・類語
きょう‐ぞう〔キヤウザウ〕【鏡像】
1 鏡に映る像。一般に、平面に関して対称をなす点や物体の像。
2 中心O、半径rの球で、その空間にO以外の点Pをとり、その半直線OP上にOP・OQ=r2となる点Qをとったとき、P・Qを相互にその鏡像であるという。→反転4
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
鏡像
きょうぞう
reflected image
鏡映の関係にある2点を,互いに他の鏡像という。円に関しては反転の関係にある2点をいう。三次元以上の場合にも拡張して用いられる。 (→光学対掌体 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
きょうぞう【鏡像】
鏡面に神仏の姿や梵字などを線刻または墨書し,社寺に奉納,礼拝したもので,御正体(みしようたい)とも呼ばれる。日本では平安時代から江戸時代まで盛んに製作された。古来,鏡は万象を照らし映し出す神秘的な性格のために霊宝として尊崇され,神社の御神体としてまつられる一方,仏教においては鏡を仏の霊と観じる思想も行われ,仏像の胎内に納めたり,壇鏡や荘厳具としても用いられた。これに天台法華の教義に基づく神仏習合の思想が加わり,鏡面に本地仏や種子を刻出するようになったものがいわゆる鏡像で,はじめ日本で創始されたと考えられていたが,入宋僧の奝然(ちようねん)が帰朝のおり請来した釈迦如来像(清凉寺)の胎内より線刻水月観音像が発見されるに及んで,中国でも製作されていたことが明らかとなった。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
世界大百科事典内の鏡像の言及
【懸仏】より
…神の依代(よりしろ)として作られた鏡に御正体(みしようたい)としての神像や本地垂迹説による仏像などをあらわしたもので,その形態から鏡面に毛彫,線刻,描画したものを鏡像とよび,鏡面や鏡地板に別製の薄肉または厚肉の神像や仏像をとりつけたものを懸仏とよんでいる。平安時代の御正体の主流は鏡像で,その在銘最古のものとして永延2年(988)銘の線刻阿弥陀五尊鏡像(重文)がある。…
【神道美術】より
…神社で鏡をひもろぎとして御正体と称するのは古俗であったが,この鏡の表面に,仏像を線刻するようになった。鏡像とか本地仏御正体と呼び,遺品は12世紀ごろから伝わっている。また,鏡面の線刻にとどまらず,レリーフのように半肉彫の仏像をはりつけた鏡もあらわれ,懸仏(かけぼとけ)と呼ばれる。…
※「鏡像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報