造反(読み)ゾウハン

デジタル大辞泉 「造反」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐はん〔ザウ‐〕【造反】

[名](スル)体制に逆らうこと。謀反むほんを起こすこと。「若手党員造反する」
[補説]中国から輸入された語。1966年の文化大革命以後多用された。
[類語]反対・不賛成・不同意不承知異議異論異存批判抵抗対立を唱えるを立てる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「造反」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐はん ザウ‥【造反】

〘名〙
① 中国で、謀反(むほん)のこと。民衆の、やむにやまれぬ反逆の意。文化大革命一九六六‐六九)以後多用された。
② 一般に、反抗。反逆。
※夢の浮橋(1970)〈倉橋由美子〉雲の峰「おやじの酔態を造反的な目つきでみている」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「造反」の意味・わかりやすい解説

造反 (ぞうはん)
zào fǎn

中国語。本来は反権力の謀反,反逆をいうとともに逆らって騒ぐという日常語でもある。太平天国の運動から孫文の初期の反清運動において,反権力を表す言葉としては,〈光復〉〈起義〉とともに〈造反〉の語が使われ,反権力の態度がそこに示された。反権力の運動を表現する〈革命〉(この語自体は《易》に由来する古い中国語)の語が中国の反体制運動に使われたのは,孫文(逸仙)が,1895年(光緒21)広州での蜂起に失敗し,日本に亡命したとき,当時の日本の新聞が〈支那革命党首領孫逸仙来日〉と報じて,孫文がみずからの反体制運動の組織を〈革命党〉と自覚,自負したことに由来するといわれる。ところで,1939年,毛沢東はスターリン60歳誕生日の祝辞で,マルクス主義要諦は〈造反有理(造反には道理がある)〉につきる,と述べて,この言葉本来の価値観を積極方向に逆転させた。これが紅衛兵に引き継がれて,文化大革命の合言葉の一つとなり,革命運動をより鮮明に象徴した。この語は,当時,日本のいわゆる新左翼運動にも輸入され,さかんに使用された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「造反」の読み・字形・画数・意味

【造反】ぞう(ざう)はん

。〔野獲編、賊〕(妖人趙古元)古元反し、を窺伺(きし)す(うかがう)。乃ち其の名を改めて趙朱と曰ひ、、且(ほとん)ど將(まさ)に革命を圖(はか)らんとす。

字通「造」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android