薄雲(読み)ウスグモ

デジタル大辞泉 「薄雲」の意味・読み・例文・類語

うす‐ぐも【薄雲】

薄く広がっている雲。俗に、巻層雲のこと。
源氏物語第19巻の巻名。藤壺の死や、冷泉帝が光源氏実父と知って譲位意向を漏らすことなどを描く。
[類語]白雲はくうん白雲しらくも青雲紫雲茜雲黒雲暗雲彩雲浮き雲千切れ雲片雲横雲棚雲豊旗雲笠雲飛行機雲筋雲鰯雲鯖雲鱗雲羊雲群雲朧雲積み雲綿雲入道雲雲の峰かなとこ雲

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精選版 日本国語大辞典 「薄雲」の意味・読み・例文・類語

うす‐ぐも【薄雲】

[1] 〘名〙
① 薄くたなびいている雲。うっすらとした雲。淡雲。
源氏(1001‐14頃)薄雲「入日さすみねにたなびくうす雲はもの思ふ袖に色やまがへる」
② 香木の名。分類伽羅(きゃら)。香味は苦辛。六十一種名香の一つ。禁裏から本阿彌家へ下賜されたものを特に本阿彌薄雲と呼ぶ。
③ 「どぶがい(土負貝)①」の一種。〔俚言集覧増補)(1899)〕
[2] 「源氏物語」第一九帖の名。源氏が三一歳の冬から三二歳の秋まで。藤壺の病死と、源氏の遁世への思い、冷泉帝がその出生の秘密を知ることなどが描かれる。

はく‐うん【薄雲】

〘名〙 うすくたなびいている雲。うすぐも。〔何遜‐入西塞示南府同僚詩〕

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朝日日本歴史人物事典 「薄雲」の解説

薄雲

生年生没年不詳
江戸前期の遊女。吉原京町1丁目,信濃屋藤左衛門抱えで,和歌をよくし,書に堪能で,俳諧に名あり,義侠心に富み,金銀にものいわせる客には目もくれなかったという。万治年間(1658~61),某大名の愛するところとなったが,半年におよぶも肌を許さず,3000両で身請けされたのちも意に従わず,ために一室に幽閉され,「10日に10指を断ち落とす」と脅迫されても,なおかたくなに拒み,ついに殺されたという。また同時代,同じ京町1丁目の三浦屋四郎左衛門抱えに同名の遊女があり,遊女高尾と全盛を争い,猫好きで知られていた。

(宇田敏彦)

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普及版 字通 「薄雲」の読み・字形・画数・意味

【薄雲】はくうん

うす雲。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「薄雲」の解説

薄雲 (ウスグモ)

学名Ceropegia stapeliiformis
植物。ガガイモ科園芸植物

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デジタル大辞泉プラス 「薄雲」の解説

薄雲

石材の名。山口県美祢市で産出される大理石、美祢大理石の銘柄のひとつ。

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