ひかる‐げんじ【光源氏】
「
源氏物語」正編の
主人公。
桐壺帝の第二
皇子。母は桐壺の
更衣。光はその
美貌からの称。
源氏は
臣籍に下って賜わった姓。幼くして母をなくし、母に似た藤壺女御を慕い、のち密会してその罪の子は
冷泉帝となる。一方藤壺に似た紫上を引きとり、正妻葵上の
没後結婚する。すぐれた
資質と色好みの性格を持ち、一時須磨・
明石に謫居するが、帰京後は確実に
地歩を占め、壮大な六条院を築いて妻妾たちを住まわせ、位人臣をきわめ、准太上天皇にも遇せられる。しかし、
朱雀院の女三宮の降嫁があってからは、女三宮と
柏木の密通事件、その結果の薫の誕生など、藤壺事件の応報を思わせる
苦悩の日々が続く。
最愛の紫上にも先立たれ、五二歳の一年を紫上の
面影を抱き続けて送るところで源氏の記事は終わり、物語は「雲隠」という名のみの章を設け、その死を暗示している。
実子に、
夕霧・明石姫君がいる。源氏。光君。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「光源氏」の意味・読み・例文・類語
ひかる‐げんじ【光源氏】
源氏物語の主人公。桐壺の帝の第2皇子。母は桐壺の更衣。源氏の姓を賜って臣籍に下る。光君。源氏の君。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
光源氏 ひかるげんじ
「源氏物語」の主人公。
桐壺帝(きりつぼのみかど)と桐壺更衣の子。美貌と才能にめぐまれ,正妻葵上(あおいのうえ)のほかにおおくの女性と恋愛する。父帝の妻藤壺との間に冷泉(れいぜい)帝が生まれる。葵上の死後,理想の妻紫上(むらさきのうえ)を得,栄華をきわめるが,その死後出家を決意する。人物像は在原業平(ありわらの-なりひら)に複数の人物をかさねあわせたといわれる。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
光源氏
ひかるげんじ
『源氏物語』の主人公。桐壺帝と桐壺更衣 (こうい) との間に生れた皇子。非常に美しかったため世人や高麗 (こま) の人が「光る君」と呼んだ。「桐壺」から「幻」までの 41帖に彼の生涯が描かれている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の光源氏の言及
【源氏物語】より
…
[あらすじ]
物語は時代を数十年以前にさかのぼる延喜・天暦(醍醐天皇~村上天皇)の時代に取って出発する。桐壺帝最愛の第2皇子は生母の身分が低くて臣籍に下され,美貌のゆえに〈光源氏(ひかるげんじ)〉と呼ばれて,さまざまの女性と恋の遍歴を重ねる。なかでも亡き母に似た父帝の中宮藤壺(ふじつぼ)との恋は苦しく,その間に罪の子〈冷泉帝〉が生まれる。…
※「光源氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」