デジタル大辞泉
「能狂言」の意味・読み・例文・類語
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のう‐きょうげん ‥キャウゲン【能狂言】
〘名〙
① 能と狂言。
※わらんべ草(1660)一「能狂言組出、役付を見て、先我々の役々よく合点して、いるべき
道具をせんさくし」
②
能楽における狂言。
歌舞伎狂言などと区別するためにいう。江戸時代になって使われ出したことば。単に狂言とも。
※明治世相百話(1936)〈山本笑月〉バカにした連中総感服「
古今の
絶技といはれた能狂言の
山本東(先代東次郎)は
大蔵流の
家元で、全く飛び抜けた
名人」
③
本来の狂言をくずして俄
(にわか)風にしたもの。
寺社の
境内などの小屋掛けで演じられた。
※
滑稽本・
東海道中膝栗毛(1802‐09)七「
売薬のいひたて、うき世ものまね、能狂言
(ノウケウゲン)、境内に所せきまでみちみちたり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
能狂言 (のうきょうげん)
能の狂言の意。能に付随する狂言は,通常はたんに狂言と呼ばれ,狂言方,狂言師,狂言面,狂言装束のように称されるが,歌舞伎台本ないし演(だ)しものをも狂言というようになったため,それと区別して,とくに能狂言と呼んだ。また,能と狂言の意で用いられた例もある。
→狂言
執筆者:味方 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
能狂言
のうきょうげん
狂言の別称。狂言の語は、江戸中期以後になると歌舞伎(かぶき)の外題(げだい)をも称するようになり、さらに普遍して演劇の別名のように使われることになったため、江戸後期から、本来の狂言は能とともに演じられる狂言の意で、能狂言ともよばれるようになった。しかし、この語は「能と狂言」の意味にもとられ、適当でなく、今日では「狂言」というほうが一般的となっている。
[小林 責]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
能狂言
能楽における狂言、いわゆる“狂言”のことで、歌舞伎狂言などと区別するために特にいう。高度に様式化されており、演出の作業は不要。かがり火の灯りのもとで演じる薪能(たきぎのう)がある。
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
能狂言
古典落語の演目のひとつ。上方ばなし。「但馬の殿様」「お能狂言」「能芝居」とも。
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