置(漢字)

普及版 字通 「置(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音]
[字訓] おく・ゆるす・はなす

[説文解字]

[字形] 形声
声符は直(ちよく)。直に値(ち)の声があり、また植(た)てるものの意がある。〔説文七下に「赦(ゆる)すなり。网(まう)直に從ふ」と会意に解する。正直なるものに誤って网(網)を加える形で、それを赦すべしとする意であろう。前条の罷に、「賢能りて网に入り、ち貰(ゆる)して之れを(つか)はすことを言ふ」(段注本)とあるように、誤って捕らえた正直者を赦す意とするが、そのような字の構造はありえない。字はかすみ網などをしかけておく意であろう。〔呂覧、異用〕に「湯(たう)(殷の祖王)、(いの)りてするの、四面に置くを見る」とあるのが、字の初義である。のち設置・所置・放置の意となる。

[訓義]
1. おく、しかけておく、もうける、すえおく、たてる。
2. さしおく、ひかえる、のこす、とどめる。
3. ゆるす、はなす、とく、やすんずる。
4. うまつぎ、駅をおく。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕置 スウ・イタル・アラハス・ヲシム・ユルス・スツ・タツ・ヌク

[語系]
置tjik、tjiekは声近く、(し)にも「おく」という訓がある。眞(真)は行路の人の屍体、それを祀屋に入れて祀ることをいう。また値dikは〔説文〕八上に「措(お)くなり」とあり、これも「措置」のように連用する字である。

[熟語]
置怨置議置却・置給・置置遣・置言・置質置辞・置酒置錐置設置想・置対・置亭置逓・置伝・置弁(辨)・置弁(辯)・置法・置問置郵・置立
[下接語]
安置・位置・駅置・開置・供置・僑置・建置・拘置・裁置・処置・常置・設置・措置・装置・停置・転置・伝置・倒置・配置・廃置・備置・標置・布置・置・並置・別置・放置・郵置留置

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報