安置(読み)あんち

精選版 日本国語大辞典 「安置」の意味・読み・例文・類語

あん‐ち【安置】

〘名〙 (「あんぢ」とも)
① ある場所にすえて置くこと。また、じっととどまらせておくこと。
※新儀式(963頃)四「弁備御台盤二基。安置御前也」 〔韓愈‐石鼓歌〕
神仏の像などをあがめすえること。
正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献薬帳「以前、安置堂内、供養盧舎那仏」
※打聞集(1134頃)三「塔を造給て此舎利を安持し奉給へり」
[語誌]「色葉字類抄」の読み、また「打聞集」の当て字「安持」などにより、鎌倉末期まではアンヂと連濁しているが、室町末期になると節用集(易林本・饅頭屋本)では連濁している一方、濁らないアンチ(文明本)も現われる。「日葡辞書」では両形を見出し語としているが、説明はアンチの方に多くをさいており、この頃より清音が一般的となったようである。

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デジタル大辞泉 「安置」の意味・読み・例文・類語

あん‐ち【安置】

[名](スル)丁重に据え置くこと。特に、神仏の像などを据え祭ること。「遺体安置する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「安置」の読み・字形・画数・意味

【安置】あんち

しずかに据えつける。唐・白居易〔郡斎暇日、廬山草堂を憶ふ、~三十韻、~〕詩 治す行の路 安置す坐禪の牀

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