組入(読み)くみいれ

精選版 日本国語大辞典 「組入」の意味・読み・例文・類語

くみ‐いれ【組入】

〘名〙
① 組んで中に入れこむように作ること。また、その器物。いれこ。
歌舞伎御国入曾我中村(1825)大詰「それ初春の寿を、祝ふは年の市川に、売切れ申し組み入れの、三升(みます)は本家本升屋」
仲間に加え入れること。
配置を考えて図や文字をうまくおさめいれること。
※羽鳥千尋(1912)〈森鴎外〉「口絵の製板、カットの彫刻を指揮する。組入(クミイレ)字詰から挟み込む色紙まで世話する」
小右記‐長徳二年(996)五月二日「捜検夜大殿及疑所々、放組入・板敷等、皆実検云々」

くみ‐い・る【組入】

[1] 〘自ラ四〙
① 組み打ちしようとして飛び込む。
浄瑠璃大友真鳥(1698頃)二「はっといひて手をひろげくみ入らんとする所を」
② 種々の要素が組み合わさって複雑になる。
国語のため(1895)〈上田万年〉言語学者としての新井白石「抑も音其者は何であるか、其音に伴ふ意義といふものは、いかに変じ行くものであるか、或は文字はいかなる官能を有って居るか、などいふ組み入った点までは、白石は論じませんでした」
[2] 〘他ラ下二〙 ⇒くみいれる(組入)

くみれ【組入】

〘名〙 (「くみいれ(組入)」の変化した語) =くみいれてんじょう(組入天井)
※栄花(1028‐92頃)浦々の別「塗籠(ぬりごめ)をあけて、くみれの上(かみ)などをも見よ」

くみ‐い・れる【組入】

〘他ラ下一〙 くみい・る 〘他ラ下二〙 組んで中に入れる。また、仲間に加え入れる。くみこむ。編入する。
会計法(明治二二年)(1889)二三条「予算外収入は総(すべ)現年度歳入に組入るべし」

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