系(漢字)

普及版 字通 「系(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] ケイ
[字訓] いとすじ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
飾り糸を垂れている形。〔説文十二下に「(か)くるなり」とあり、重文二を録する。その籀文字形は卜文・金文にみえるもので、呪飾として用いる組紐の形とみられる。いわゆる組。顯(顕)の字形は、珠(日の形)にその組を加えて拝する形で、それによって祖霊が顕現することをいう。また(らん)も神に祝する言の両旁に、組を施している形である。

[訓義]
1. 呪飾として加える糸飾り、かざりひも。
2. いとすじ、いとすじのはじめ。
3. かける、つなぐ、たれる。
4. 血すじ、家すじ、系図

[古辞書の訓]
名義抄〕系 ツク・ツラヌ 〔立〕系 ツラヌル・ツラヌ・イト・ヨル

[部首]
〔説文〕に孫・緜・(よう)の三字を属し、〔玉〕に纛(とう)を加える。なお縣(県)もこの部に入るべき字であろう。孫を〔説文〕十二下に「系は續なり」と解するが、孫は祖を祀るときその尸(かたしろ)となるものであり、系はその尸たるものに施す呪飾である。また十二下に「隨從なり」とするのは、由(ゆう)声と通用の義によるもので、(よう)は祭肉と祝の器、その器に呪飾を加えた形である。

[声系]
〔説文〕に系(けい)声として係を収め、奚をその省声として奚(けい)声十二字を収める。奚は編髪の象に従うものであるから、組を示す系とは別系の字である。また鯀を系声とするが、字はまたに作り、系声の字とは定めがたい。

[語系]
系・係hye、kyeは声義近く、係束の意がある。人に系を加える係は縛の意、尸たるものに系を加えるのは、尸主(ししゆ)としての孫である。

[熟語]
系家・系継・系・系口・系図系族・系続系孫系伝系統系譜系璧系列・系録
[下接語]
一系・家系・故系・根系・山系・女系・水系世系・正系・姓系・先系・大系・体系・男系・直系帝系統系・同系・父系・譜系・母系・傍系・本系

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報