粉河(読み)こかわ

精選版 日本国語大辞典 「粉河」の意味・読み・例文・類語

こかわ こかは【粉河】

[一] 和歌山県北部、紀ノ川中流域にある地名粉河寺門前町として発達。また紀ノ川水運の河港でもあった。現在はJR和歌山線が通じる。ミカン産地
[二] 「こかわでら(粉河寺)(一)」の略。

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デジタル大辞泉 「粉河」の意味・読み・例文・類語

こかわ〔こかは〕【粉河】

和歌山県北部、紀ノ川中流域にある地名。粉河寺の門前町。紀州みかんの産地。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「粉河」の意味・わかりやすい解説

粉河
こかわ

和歌山県北部、那賀郡(ながぐん)にあった旧町名(粉河町(ちょう))。現在は紀の川市の東部を占める地域。旧粉河町は、1894年(明治27)町制施行。1955年(昭和30)長田(ながた)、竜門(りゅうもん)、川原(かわはら)の3村を合併、翌年鞆淵(ともぶち)村を編入。2005年(平成17)打田(うちた)、那賀、桃山(ももやま)、貴志川(きしがわ)の4町と合併、市制を施行して紀の川市となった。JR和歌山線と国道24号(大和(やまと)街道)が通じる。北部は和泉(いずみ)山脈、南は龍門山地で、中央を紀ノ川が西流する。中心の粉河地区は西国三十三所3番札所粉河寺の門前町として栄えた。『延喜式(えんぎしき)』には粉河寺のほかに鎌垣船(かまがきぶね)(鎌垣は粉河をさすという)のことが記載されており、古くから紀ノ川の河港でもあり、北岸を通る大和街道の宿場でもあった。江戸時代には粉河鍛冶(かじ)町に釣鐘など鋳物工業もおこり、厄除(やくよ)けの長田観音とともに粉河参りで栄えた。竜門地区には柑橘(かんきつ)類の栽培地が広がる。『紙本著色粉河寺縁起』、鞆淵八幡(はちまん)の沃懸地螺鈿金銅装神輿(いかけじらでんどうそうしんよ)は国宝に指定され、粉河寺庭園は国指定名勝

[小池洋一]

『『粉河町史』全5巻(1986~2003・粉河町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粉河」の意味・わかりやすい解説

粉河
こかわ

和歌山県北部,紀の川市中北部から南東部を占める旧町域。和泉山脈南斜面から紀ノ川両岸にわたり,南は龍門山に及ぶ。1894年町制。1955年長田村,竜門村,川原村の 3村と合体。1956年鞆淵村を編入。2005年打田町,那賀町,桃山町,貴志川町の 4町と合体して紀の川市となった。中心集落の粉河は伊勢街道宿場町西国三十三所第3番の札所である粉河寺の門前町として古くから発展。江戸時代から釣鐘の鋳造で知られた鋳物工業の町であった。その後門前町の性格は失われたが,周辺農村の中心地となった。南部の竜門地区は代表的なミカンの産地。粉河寺は国宝『粉河寺縁起絵巻』でも知られ,本堂,千手堂などが国の重要文化財,庭園が国の名勝に指定されている。国宝の神輿を蔵する鞆淵八幡神社も有名。紀州富士の別称で知られる龍門山一帯は,龍門山県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「粉河」の意味・わかりやすい解説

粉河 (こかわ)

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世界大百科事典(旧版)内の粉河の言及

【名手荘】より

…紀伊国那賀郡(現,和歌山県那賀郡那賀町,粉河町)の荘園。もと藤原頼貞の私領であったが,所領経営に失敗し,1064年(康平7)石清水(いわしみず)八幡宮寺に寄進された。…

※「粉河」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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