筈・弭・彇(読み)はず

精選版 日本国語大辞典 「筈・弭・彇」の意味・読み・例文・類語

はず【筈・弭・彇】

〘名〙
① 弓の両端。弓の弦を受けるところ。木弓の材質から上方末弭(うらはず)、下方を本弭(もとはず)という。弓弭(ゆはず)
書紀(720)神武即位前(熱田本訓)「乃ち金色(こかね)の霊鵄(あやしきとひ)有りて飛来りて皇弓の弭(ハス)に止れり」
② 矢の上端で、弓の弦をかける部分。矢筈(やはず)
※延喜式(927)四「征箭一千四百九十隻。〈略〉鏃塗金漆。筈塗朱沙
③ (②と弦とはよく合うところから) 物事が当然そうなること。道理。理屈。筋道。転じて、予定・てはず・約束などの意にもいう。
※吉川家文書‐(天正三年)(1575)一一月二〇日・本願寺光佐書状「於遅引者、東北之筈可相違候、定為公儀様躰可仰出候条、御分別此節候」
※狂言記・秀句大名(1700)「此のかさをくれふはつはないが」
※浮世草子・傾城禁短気(1711)五「かふいふてからは筈(ハヅ)を違はす男ではないぞ」
和船帆柱の先端をいい、ふつうは蝉挟みの先端が蝉の頂部より両側に若干突き出している所をいう。〔和漢船用集(1766)〕
相撲の押し手で、親指人差指との間を矢筈の形に開き、相手の腋(わき)の下や胸、肩口などにあてて押すこと。〔相撲講話(1919)〕
楊弓大弓で、銭を賭け物にするとき、一銭をいう隠語餓鬼。〔随筆・一話一言(1779‐1820頃)〕
⑦ 綿を引き延ばすのに用いる道具。矢筈。〔和漢三才図会(1712)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android