笑話(読み)ショウワ

デジタル大辞泉 「笑話」の意味・読み・例文・類語

しょう‐わ〔セウ‐〕【笑話】

こっけいな話。わらいばなし。
談笑すること。
衆客又来集し―頗るかまびすし」〈織田訳・花柳春話

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「笑話」の意味・読み・例文・類語

しょう‐わ セウ‥【笑話】

〘名〙
① 滑稽な内容の話。おかしい話。笑い話落語
咄本聞上手(1773)叙「今集る笑話(セウワ)一帖、聞上手と題す」 〔桃花扇‐訪翠〕
② (━する) 笑いながら話すこと。また、その話。談笑。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉五三「衆客又来集し笑話頗る聒(かまびす)し」
[補注]「小説精言‐四」に「我説個笑話(〈注〉ヲドケバナシ)」とある。

わらい‐ばなし わらひ‥【笑話】

〘名〙
① 笑いながら話すこと。笑談(しょうだん)しょうわ
牛部屋の臭ひ(1916)〈正宗白鳥〉一「隣近所の女達を相手に、持前の高声でげらげらと笑ひ話をして興じてゐる」
② 滑稽な内容の話。おかしい話。しょうわ。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「尤も是れが悟り始めの悟り仕舞だと笑ひ話にもなるが」
昔話うちの一部門。知恵のはたらき、はなはだしい誇張を主眼とした話、愚人に関する話などが含まれる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「笑話」の意味・わかりやすい解説

笑話 (しょうわ)

滑稽な話,おどけた話をいう。笑話には,人間をおもな登場者として聞き手を笑いでもてなそうとするところに特色があった。古くは,神の前で人々が笑うことが神を慰め,神の怒りを鎮めると信じられていたらしい。山の神にオコゼを見せて笑ってもらうという祭りもその一例である。山遊びや田楽などにも笑話的要素が見られる。民話の中には愚かな行為や失敗を扱った笑話も含まれている。政治的な風刺や卑わいな話も笑話の材料となる。地口,秀句,落ちなど軽妙なことばの洒落を示す言語遊戯による笑話の伝承もある。また,狂言という芸能が生じたが,笑話を最も活用したのは御伽衆,御咄の衆の系を引く噺家である。仏教が伝来して,説教僧が大衆教化の手段として笑話を口演したことも見のがせない。《今昔物語集》には比叡山の座主教円が人を笑わせる説教の達人だったことが記されている。近世初頭に出た説教僧安楽庵策伝の《醒睡笑》は大規模な笑話本で,あらゆる種類の笑話が1000余も収められている。笑話は江戸時代にもおびただしく創作され,噺本で紹介されたが,もともと書物で広がったのではなく,口承の形で全国に伝播したもので,噺本流行の江戸中期には口承と記載の両面が互いにかかわり合って普及した。文化・文政期(1804-30)になって職業的な噺家が登場すると笑話は創作することよりも口演本位となり,同じ作品を違った噺家がそれぞれくふうを加えてすぐれた話芸として伝承するようになった。

 なお,昔話の一ジャンルとしての笑話については,〈笑い話〉の項をも参照。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笑話」の意味・わかりやすい解説

笑話
わらいばなし

民話の一形態。本格昔話に対する派生昔話の一種で,本格昔話が話の発端,事件の展開,結末と,整った話型をもち,いくつかのエピソードによって構成されるのに対し,笑話は単純な形式をとり,聞き手に笑いを起させることを目的とする掌編話型となっている。笑話が著しい発達を示したのは,おおむね中世以降とみられ,日本では鎌倉時代に寺院の僧が説経の資料に採用したことによって広い伝播をみたといわれる。アメリカの S.トンプソンは笑話を,(1) 愚か村の話,(2) 愚かな妻または夫の話,(3) うそ話などに分類しているが,日本でも柳田国男が,(1) 大話 (誇張譚) ,(2) まねそこない話,(3) 愚か者話の3つに分けている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「笑話」の読み・字形・画数・意味

【笑話】しようわ

笑い話。

字通「笑」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報