普及版 字通 「浜(漢字)」の読み・字形・画数・意味
浜
常用漢字 10画
(旧字)濱
17画
[字訓] はま・みぎわ・はて
[字形] 形声
正字はに作り、(頻)(ひん)声。また旧字は濱に作り、(賓)(ひん)声。いま・濱は別義の字として用いる。もと水涯・岸辺をいう字。〔詩、小雅、北山〕「土の濱 王臣に非ざる(な)し」のように、地の果ての意に用いる。〔国語、斉語〕に「死に濱せり」という語があり、死の意。は水辺に臨む意で、頁(けつ)は儀礼をなすときの姿。濱もに従っており、賓迎・賓送する礼をいう字。これを以ていえば、・濱の字形は、もと水辺の儀礼を示すものであり、古く水辺で行われた葬送の俗を伝えるものであろう。
[訓義]
1. はま、みぎわ、きしべ。
2. はて、かぎり。
3. ちかづく、そう、のぞむ。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕・濱 水祭(際)なり 〔和名抄〕濱 波万(はま) 〔名義抄〕濱 キハ・キシ・ナギサ・ハマ・スハナ・ホトリ・ソコ・ソヒ・ソフ・セリ 〔字鏡集〕濱・ ハマ・ホトリ・ナギサ・ソフ・ソユ・ソヒテタリ・ソヒ・スハマ・セリ・キハ・キシ・ワタリ・トドマル・ミヅノキシ・キハ
[語系]
濱・・・殯pienは同声。bienは声義近く、(墳)biun、邊(辺)pyenも関係のある語であろう。は古くは順に従う字で、順とは水辺に人を弔う儀礼であるらしく、もその系列字とみてよい。は墳塋(ふんえい)、邊(へん)は辺境に祭梟(さいきよう)(首祭り)の台を設けて禁塞とするところをいう。
[熟語]
浜河▶・浜海▶・浜涯▶・浜近▶・浜塞▶・浜死▶・浜水▶・浜路▶
[下接語]
河浜・海浜・江浜・沼浜・湘浜・水浜・池浜・天浜・東浜・島浜
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報