普及版 字通 「津(漢字)」の読み・字形・画数・意味
津
常用漢字 9画
[字訓] しみでる・つ・わたしば
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
正字はに作り、(しん)声。は〔説文〕聿部三下に「聿(いつ)(筆)のりなり」とするが、は辛形の針を以て皮膚を刺し、そこより津液のにじみ出る形。その津液を器皿に収めることを(しん)といい、字条五上に「气液なり」とみえる。は入墨のときの津液、そのときの傷痛を(きよく)という。の字の従う(ひよく)の形は、(せき)の字にも含まれており、は女子の両乳をモチーフとして、そこに加える文身の象。その文身の美をいう字である。津はの繁文で、その形声の字。〔説文〕十一上に「水渡なり」とするのは別義の字。〔説文〕が津の古文として録する舟と淮とに従う形が、渡し場を意味する字である。〔論語、微子〕に孔子が津を問う話があり、〔書、微子〕に「大水をるに、其の、津涯無きが(ごと)し」とみえる。に従うものが津液、舟・淮に従う字が津涯の意の字である。
[訓義]
1. しみでる、気液や津液がしみでる、しみでるもの、津液。
2. つば、あせ、なみだ。
3. うるおう、ぬれる、つや。
4. つ、ふなつきば、わたしば。
5. つて、つたえる。
6. あまのかわ。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕津 豆(つ)〔名義抄〕津 ツ・ワタル・ウルホス・ウルフ 〔立〕津 ワタル・シルノフ・ウルホス・ウルフ・ツナリ・ホトリ・ウツル・タスク・ツ・スルソ
[熟語]
津頤▶・津液▶・津駅▶・津河▶・津涯▶・津岸▶・津寄▶・津渠▶・津逕▶・津口▶・津航▶・津済▶・津▶・津潤▶・津渚▶・津渉▶・津津▶・津人▶・津送▶・津湊▶・津唾▶・津逮▶・津注▶・津貼▶・津亭▶・津頭▶・津▶・津発▶・津筏▶・津沫▶・津門▶・津要▶・津梁▶
[下接語]
河津・外津・関津・旧津・曲津・江津・集津・知津・釣津・通津・渡津・迷津・問津・要津・梁津
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報