精選版 日本国語大辞典 「東方」の意味・読み・例文・類語
とう‐ほう ‥ハウ【東方】
〘名〙 (古くは「とうぼう」とも)
※聖徳太子伝暦(917頃か)上「日羅跪レ地而合レ掌白曰。敬礼救世観世音伝燈東方粟散王。云云」
※名語記(1275)六「東方に大彗星現ぜりき」 〔易経‐説卦〕
② (中国からみて、東の方にあたるところから) 日本の国をさしていう。
※性霊集‐序(835頃)「詞翰倶美誠興二東方君子之風一」
③ (京からみて東方の意で) 鎌倉幕府をさしていう。
※神皇正統記(1339‐43)下「其後征夷大将軍に拝任す。それより天下のこと東方のままに成にき」
※輿地誌略(1826)一「古斯剌勿尼亜(コスラボニア)、波羅泥亜(ポロニア)及東方の古書を蔵む」
ひがし‐かた【東方】
〘名〙
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉相撲見物記「如何したものか、以前から相撲では今の東方が好きであった」
② =ひがし(東)の方
※歌舞伎・幼稚子敵討(1753)二「西の方床の間、金比羅餝り有。東方暖簾口」
あずま‐がた あづま‥【東方】
〘名〙 東国の方面。
※源氏(1001‐14頃)東屋「あづま方のはるかなるせかいにうづもれて」
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