曲射砲(読み)キョクシャホウ

デジタル大辞泉 「曲射砲」の意味・読み・例文・類語

きょくしゃ‐ほう〔‐ハウ〕【曲射砲】

曲射に用いる大砲臼砲きゅうほう迫撃砲榴弾砲りゅうだんほうなどの総称

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精選版 日本国語大辞典 「曲射砲」の意味・読み・例文・類語

きょくしゃ‐ほう ‥ハウ【曲射砲】

〘名〙 曲射するために用いる大砲。臼砲(きゅうほう)榴弾砲(りゅうだんほう)など。
東京朝日新聞‐明治三七年(1904)一二月六日「曲射砲は間接射撃を以て目的を達するものなり」

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百科事典マイペディア 「曲射砲」の意味・わかりやすい解説

曲射砲【きょくしゃほう】

火砲に大きな射角を与えて弾道を湾曲させる射法を曲射といい,この射法を主とする火砲を曲射砲という。榴弾(りゅうだん)砲,臼(きゅう)砲などがこれに属し,弾丸の垂直威力および援護物背後の敵の射撃などを目的とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「曲射砲」の意味・わかりやすい解説

曲射砲
きょくしゃほう

射角45度以上で発射された弾丸は大きな曲線(曲射弾道)を描いて落下する。曲射砲はこの曲射弾道専用の小型砲で、迫撃砲と似通っている。旧日本軍で曲射砲の名称を用いたのは、一一年式曲射歩兵砲、九七式曲射歩兵砲、平射兼用の九二式歩兵砲のみで、諸外国では曲射砲の名称はなく、迫撃砲に分類している。日本独自の砲で、歩兵が人力あるいは馬力運搬可能なもので、小火器の威力不足を補う火力であった。しかし、ストークスの迫撃砲出現以降、曲射砲は制式化されていない。同クラスの迫撃砲のほうが軽便だからである。

[猪口修道]

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