ストークス(英語表記)George Gabriel Stokes

精選版 日本国語大辞典 「ストークス」の意味・読み・例文・類語

ストークス

[一] (William Stokes ウィリアム━) イギリスの内科医。ダブリン大学教授、大英医学協会会頭を歴任。著に「聴診器の使用法」「胸部疾患の診断と治療」など。(一八〇四‐七八
[二] (Sir George Gabriel Stokes サー=ジョージ=ゲイブリエル━) イギリスの数学者物理学者。ケンブリッジ大学教授、王立協会会長。微分方程式積分方程式研究水力学・光学・音響学にも貢献した。光ルミネッセンスに関する「ストークスの法則」が有名。著に「数学・物理学論文集」「光について」など。(一八一九‐一九〇三

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デジタル大辞泉 「ストークス」の意味・読み・例文・類語

ストークス(stokes)

CGS単位系動粘性率の単位。粘性率流体の密度で除したもので、1ストークスは1平方センチメートル毎秒(m2/s)。アイルランドの数学者・物理学者G=ストークスにちなむ。記号St

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改訂新版 世界大百科事典 「ストークス」の意味・わかりやすい解説

ストークス
George Gabriel Stokes
生没年:1819-1903

イギリスの物理学者。アイルランドのスクリーンに牧師の子として生まれ,ダブリンの学校を卒業後,イングランドに渡り,1837年ケンブリッジのペンブローク・カレッジに入学,41年に数学学位試験に首席で合格した。49年以降終生ケンブリッジのルーカス教授職にあり,この間85-90年にはローヤル・ソサエティ会長,また87-92年大学を代表して国会議員を務めた。彼の研究は多方面にわたるが,1842-45年には流体力学に取り組み,非圧縮性の流体運動,摩擦のある流体運動の微分方程式を示した。45年には弾性論についての研究もある。以後おもに光学の研究に移り,光の媒質としてのエーテルを流体と弾性体の両方の性質でとらえることにより,光の弾性波動論の立場から光行差を説明,その後も回折,偏光蛍光,色,複屈折などに関する実験的研究に取り組み,不十分な設備の中で,数多くの精密な測定を成功させた。こうしたストークスの研究により,フランスの数理物理学がイギリスに受容され,ケルビンマクスウェルの研究に大きな影響を与えた。
執筆者:

ストークス
stokes

動粘度(動粘性率)の単位で,記号はSt。1St=1cm2/s=10⁻4m2/s。CGS単位であるので,国際単位系(SI)の単位と併用しないほうがよい。動粘度は流体の粘度を密度で除したものであるから,粘度のCGS単位ポアズ(P=g・cm⁻1・s⁻1)と密度のCGS単位であるグラム毎立方センチメートル(g・cm⁻3)とから,1St=1P/(g・cm⁻3)=1cm2/sのように得られる。名はイギリスの物理学者G.G.ストークスの名にちなんでつけられた。1cSt=0.01Stも使われることが多い。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストークス」の意味・わかりやすい解説

ストークス
Stokes, Sir George Gabriel, 1st Baronet

[生]1819.8.13. スライゴスクリーン
[没]1903.2.1. ケンブリッジ
イギリスの数学者,物理学者。ケンブリッジ大学に学び,同大学教授 (1849) 。ロイヤル・ソサエティ会員 (51) ,同書記 (54) を経て,会長 (85) 。粘性流体中の物体の運動に関するストークスの抵抗法則の導出 (50) ,ベクトル解析の基本定理であるストークスの回転定理の定式化,ケイ光の波長と吸収光の波長との関係についてのストークスシフト (52) ,石英が紫外線に対して透明であることの発見,偏光の合成と分解 (52) ,フラウンホーファー線の説明 (54) など多くの重要な業績があるが,とりわけ知られているのは,ストークスの随伴係数の導入などにみられる光の波動論とその媒体としてのエーテルに関する理論である。 1852年にロイヤル・ソサエティのランフォード・メダル,93年にコプリー・メダルを受賞したほか,89年にナイトの称号を授与された。5巻から成る数学,物理学論文集のほか,『光について』 On Light (87) ,『自然神学』 Natural Theology (91) がある。

ストークス
stokes

動粘度の CGS単位。記号は St。 1St は密度 1g/cm3 ,粘度 1P の流体の動粘度つまり 粘度/密度 で,1St=1P・cm3/g=10-4m2/s である。単位名は G.ストークスの名にちなむ。

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百科事典マイペディア 「ストークス」の意味・わかりやすい解説

ストークス

英国の数学者,物理学者。1849年ケンブリッジ大学教授,1885年―1890年王立協会会長。微分方程式,積分方程式,流体力学,音響学,光学など多方面な研究があり,ストークスの法則を発見。動粘度の単位ストークスは彼に由来。
→関連項目流体力学

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単位名がわかる辞典 「ストークス」の解説

ストークス【stokes】

動粘度のCGS単位。記号は「St」。動粘度は粘度を、その粘度をもつ流体の密度で割ったもの。1Stは密度が1cm3あたり1g、粘度が1ポアズの流体の動粘度。SI単位系との関係は、1Stが1万分の1m2/sに等しい。◇名称は、イギリスの数学者・物理学者ストークスにちなむ。

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化学辞典 第2版 「ストークス」の解説

ストークス
ストークス
stokes

動粘度の単位であるストークの複数形.語源が人名のG. Stokesであるため,わが国では単位の名称として誤用されることが多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のストークスの言及

【ストークス】より

…動粘度は流体の粘度を密度で除したものであるから,粘度のCGS単位ポアズ(P=g・cm-1・s-1)と密度のCGS単位であるグラム毎立方センチメートル(g・cm-3)とから,1St=1P/(g・cm-3)=1cm2/sのように得られる。名はイギリスの物理学者G.G.ストークスの名にちなんでつけられた。1cSt=0.01Stも使われることが多い。…

【ストークスの法則】より

…G.G.ストークスによって見いだされたもので,次の二つがよく知られている。(1)粘性流体中をゆっくりと進行する球に働く抵抗に関する法則。…

※「ストークス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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