日観(読み)じっかん(英語表記)Rì guān

改訂新版 世界大百科事典 「日観」の意味・わかりやすい解説

日観 (じっかん)
Rì guān

中国,南宋から元初の僧侶画家。生没年不詳。字は仲言,法諱ほうき)は子温,日観は号。江蘇省華亭の出身。宋が滅んでのち僧となり,杭州瑪瑙寺に住した。画は水墨葡萄をもっぱら描き,その枝葉には,得意とした草書筆法を用いたといわれている。遺品は日本に多く伝わっているが,《葡萄図》(井上家旧蔵)が代表的な作品である。1293-97年(至元30-大徳1)の間に没している。
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百科事典マイペディア 「日観」の意味・わかりやすい解説

日観【にっかん】

中国,宋末元初の画僧。生没年不詳。江蘇松江の人。諱(いみな)は子温,字は仲言,日観は号。杭州の瑪瑙(めのう)寺に住し,晩年浄土の教えを専修して道行高卓といわれた。草書にすぐれ,奔放自在な筆致による水墨の葡萄(ぶどう)図を得意とした。形似に拘泥せず,胸中逸気を表出した点で高く評価されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日観」の意味・わかりやすい解説

日観
にちかん

[生]?
[没]治安1(1021).3.28.
平安時代中期の法相宗学僧伝法院に住し,盛んに法相宗を広め,維摩会 (ゆいまえ) の講師をつとめた。

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