新潟水俣病(読み)ニイガタミナマタビョウ

デジタル大辞泉 「新潟水俣病」の意味・読み・例文・類語

にいがた‐みなまたびょう〔‐みなまたビヤウ〕【新潟×俣病】

昭和40年(1965)に新潟県阿賀野川流域で公式に確認された、有機水銀による中毒症上流の化学工場から排出されたメチル水銀川魚に高濃度に蓄積し、それを摂取した住民が発症した。名称は、昭和31年(1956)に熊本県水俣市で公式に発見された水俣病に続いて発生したことから。第二水俣病。

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百科事典マイペディア 「新潟水俣病」の意味・わかりやすい解説

新潟水俣病【にいがたみなまたびょう】

新潟県で1965年5月に発生が確認された水銀中毒症(水俣病)。昭和電工鹿瀬(かのせ)工場でアセトアルデヒド・合成酢酸を製造する際生じる廃水が阿賀野川へ流され,廃水中の有機水銀によって汚染された魚介類を食べた沿岸住民に生じたもの。1967年6月から8次にわたり認定された水俣病患者全員と家族合わせて77人が昭和電工を相手取り損害賠償請求訴訟を新潟地裁に起こし,水俣病,四日市ぜんそく,イタイイタイ病とならんで四大公害訴訟といわれた。1971年9月に原告側が勝訴,1983年6月,要求を全面的に獲得した〈新潟水俣病に関する協定書〉に調印した。一方でこの間,認定を棄却された患者および新たな申請者合わせて232人が国と昭和電工を相手取り,第2次訴訟を起こした。1992年3月,新潟地裁は原告のほとんど全員を水俣病患者と認め,損害賠償も認容したが,国の責任については認めないという判断を示した。原告側,昭和電工側がそれぞれ東京高裁に控訴したが,原告の高齢化が進み,死亡者が増えたため,早期和解を求める声が強まり,政府・与党の最終解決案を受けて1995年12月,和解が成立した。
→関連項目公害裁判工場排水

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改訂新版 世界大百科事典 「新潟水俣病」の意味・わかりやすい解説

新潟水俣病 (にいがたみなまたびょう)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「新潟水俣病」の解説

新潟水俣病
にいがたみなまたびょう

阿賀野川水銀中毒事件(あがのがわすいぎんちゅうどくじけん)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「新潟水俣病」の意味・わかりやすい解説

新潟水俣病
にいがたみなまたびょう

阿賀野川水銀中毒事件

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新潟水俣病」の意味・わかりやすい解説

新潟水俣病
にいがたみなまたびょう

阿賀野川水銀事件」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の新潟水俣病の言及

【阿賀野川有機水銀中毒事件】より

…一般には新潟水俣病(みなまたびよう)事件と呼ばれている。1965年6月,新潟大学椿忠雄が新潟県下の阿賀野川下流流域に居住する漁民に水俣病患者が集団的に発生していると公表した。…

【昭和電工[株]】より

…資本金1054億円(1997年5月),売上高4127億円(1996年12月期)。【清水 敏聖】 昭和電工は,阿賀野川河口部に発生した阿賀野川有機水銀中毒事件,いわゆる新潟水俣病事件で被告として訴えられた。これは同川の上流にある昭和電工鹿瀬工場のアセトアルデヒド合成工場から排出された有機水銀によって発生したいわば〈第2の水俣病〉である。…

【水銀】より

…有機水銀化合物のうちで,メチル水銀はとくに分解しにくく,毒性も強い。海外ではメチル水銀による種子消毒作業における事故が多いが,日本では,熊本県チッソ水俣工場の廃液中に含まれていた水銀によって汚染した水俣湾の魚介類を食べた人に発生した水俣病,新潟県昭和電工鹿瀬工場の廃液中の水銀によって汚染した阿賀野川流域の魚介類摂取によって発生した新潟水俣病(阿賀野川有機水銀中毒事件)が有名である。その他,皮膚病の治療として用いられた有機水銀による中毒も知られている。…

【水俣病】より

…公害病の代表的なものとして内外に有名。 1956年,水俣湾を中心に不知火海(八代海)一帯に発生した水俣病のほかに,65年の新潟水俣病(阿賀野川有機水銀中毒事件)もある。両者ともアセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀が原因で,水俣の場合は,新日本窒素肥料(のち,チッソと改名)水俣工場が汚染源であった。…

※「新潟水俣病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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