斗筲(読み)とそう

精選版 日本国語大辞典 「斗筲」の意味・読み・例文・類語

と‐そう ‥サウ【斗筲】

〘名〙 (「そう」は「筲」の漢音)
① 一斗を入れるます(斗)と一斗二升を入れる竹器(筲)。ともにわずかの分量を入れる容器。〔易林本節用集(1597)〕
② 人の器量の小さいこと。度量の小さいこと。としょう。
※性霊集‐四(835頃)辞少僧都表「以斗筲之才、謬処法綱
※談義本・田舎荘子(1727)下「我斗筲(トサウ)(〈注〉マスニハカル)の一夫、性痴(おろか)にして、且多病なり」 〔論語‐子路〕
③ 祿や給料などの少ないこと。としょう。〔新論‐妄瑕〕

と‐しょう ‥セウ【斗筲】

〘名〙 (「しょう」は「筲」の呉音)
※俳諧・俳諧世説(1785)下「誠に一道堪能の者の志は、斗筲(トセウ)の人の間然すべきにあらずといふべし」
※三体詩素隠抄(1622)三「樊兵曹、家貧し。故に斗升の祿を得て、親を養はんと云ふて」

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デジタル大辞泉 「斗筲」の意味・読み・例文・類語

と‐そう〔‐サウ〕【斗×筲】

《1斗を入れるますと、1斗2升を入れる竹器の意》
度量のせまいこと。器量の小さいこと。としょう。
道義の儒は悉く下僚に沈み、―の輩独り志を得て顕要に上り」〈東海散士佳人之奇遇
ろくのわずかなこと。俸給の少ないこと。としょう。

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