デジタル大辞泉
「敬」の意味・読み・例文・類語
けい【敬】
他人をうやまうこと。謹んで物事を行うこと。「敬は礼の本なり」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
うや‐ま・う ‥まふ【敬】
〘他ワ五(ハ四)〙 相手を尊んで礼をつくす。つつしんで対する。尊敬する。いやまう。
※仏足石歌(753頃)「
釈迦の御足跡
(みあと)石
(いは)に写し置き 宇夜麻比
(ウヤマヒ)て後の仏に譲りまつらむ捧げまうさむ」
[
補注]「うや」「ゐや」は、
礼儀の意を表わす
名詞であるが、それぞれには、「うやぶ」「うやまふ」「ゐやぶ」「ゐやまふ」のような動詞形と、「うやうやし」「ゐやゐやし」のような形容詞形があった。
けい【敬】
〘名〙 物事をおろそかにしないで、つつしんで行なうこと。人をうやまって、行動をつつしむこと。→
敬する。
※浮世草子・近代艷隠者(1686)五「敬を主宰してかた脇に座すれば、はや御経も終りて」 〔書経‐伊訓〕
けい‐・する【敬】
〘他サ変〙 けい・す 〘他サ変〙 うやまう。尊敬する。〔文明本節用集(室町中)〕
※読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺「この他の陵は阿波国又薩摩の封内にあり。並にその国君亦よくこれを敬(ケイ)したまへり」
うや‐まい ‥まひ【敬】
〘名〙 (動詞「うやまう(敬)」の連用形の名詞化) うやまうこと。尊敬。
※
今昔(1120頃か)一七「地蔵

は白地に敬ひの心を

せる人そら不弃給ざる事既如此し」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
けい【敬 jìng】
中国,朱子学の修養法。居敬,持敬,主敬などともいう。敬とは本来,天,神々,君,父母などに対する敬虔でうやうやしい気持,ないしは態度をいうが,朱熹(子)はこれを自己の自己に対する心のあり方に転化させ,自己変革の修養法として確立した。このような敬は,朱熹以前にすでに北宋の道学者によって提唱され,次のような定義が与えられている。程頤(ていい)(伊川)の〈主一無適〉(心を一点に集中させどこへも逸(そ)れてゆかぬようにさせること)。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報