普及版 字通 「敢(漢字)」の読み・字形・画数・意味
敢
常用漢字 12画
[字訓] つつしむ・あえて
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
金文の字形は、を以て鬯酒(ちようしゆ)をそそぎ、儀礼の場所を清める鬯の礼を示す。厳恭の意で、極度につつしむ意。敢てその尊厳のことを行うので、つつしんでの意より、敢てするの意となる。「敢て」とは、つつしんでの意。周初の〔令彝(れいい)〕に「敢て尹の休(たまもの)に揚(こた)へ」「敢ての賞を丁に(およ)ぼし」というのは、「つつしみて」の意。〔説文〕四下に「み取るなり」と敢為の意とするのは、のちの転義。本来は神事に関していう。金文の〔(ろくしゆうゆう)〕に「淮夷、敢て國を伐つ」とあるのは、本来あるべからざる行為を、敢てなすことをいう。
[訓義]
1. つつしむ、あえて。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕敢 アヘテ・ベケムヤ・エ・マカス・ススム・ヲカス・カシコマル
[声系]
〔説文〕に敢声として・・嚴(厳)など六字、また嚴声として儼・巖(巌)など五字を収める。は金文に厳の字義に用い、その初文。みな敢の声義を承ける。
[熟語]
敢為▶・敢往▶・敢諫▶・敢悍▶・敢毅▶・敢擬▶・敢決▶・敢言▶・敢行▶・敢作▶・敢死▶・敢士▶・敢辞▶・敢爾▶・敢戦▶・敢然▶・敢争▶・敢断▶・敢当▶・敢任▶・敢問▶・敢勇▶
[下接語]
果敢・忠敢・不敢・武敢・勇敢
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報