精選版 日本国語大辞典 「拍手」の意味・読み・例文・類語
はく‐しゅ【拍手】
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一般に両手を打ち鳴らす拍手は,歓迎,共感・賛意・賞賛,誓約,歓喜・感激・感謝などの感情を表現する身体的動作で,手拍子(てびようし)も拍手の一種である。古代中国の《周礼》九拝の第四には〈振動〉といって両手を打つ礼があった。密教儀礼の壇上作法の一つである拍掌(びやくしよう)は,魔を除いて諸仏を歓喜せしめる意で,3度両手を打つ。最初の2度は軽く手を合わせるだけで,最後は音をだして打つ。3度打つのは修行のさまたげになる惑(わく)・業(ごう)・苦(く)の三障(さんしよう)を取り除くことを意味する。神道では神拝作法で,ひらで(開手,平手),やひらで(八開手),てうち,かしわでともいう。折口信夫によると,平安期の大饗(おおあえ)と名付けられた饗宴には正客が正席につくと,列座の衆が拍手するのが本式で,宴(うたげ)とは〈うちあげ(拍ち上げ)〉で礼拝を意味したが,時代を経るにしたがって饗宴全体をあらわし,ついには酒宴をさすようになり,これが饗宴の主要部を構成すると考えられるようになったという。
→柏手(かしわで) →手打
執筆者:藤井 正雄
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両手のひらを打ち合わせて音を出す行為。賛成や賞賛の意志表示の一種であるが、一般的には神拝に伴う場合をさす。神拝作法としての拍手は二拍とか四拍というように、対象や宗派によって独自に展開される。古くは朝儀や賜り物などの際にも行われた。今日でも食事時に行う人は少なくない。中世から柏手(かしわで)ともいうようになったが、語源については、宮中や寺院の食膳(しょくぜん)調理をつかさどった膳夫(かしわで)との混合とか、柏の葉を食器として使用したところからなどと諸説ある。昔話を語るときに一拍してから始めたと、語りの場の古態を伝える土地もある。
[佐々木勝]
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…神を拝むとき,両掌を打ち合わせて音をたてる作法。単に拍手(はくしゆ)あるいは開手(ひらで)ともいう。拍手は元来歓喜,感動などの表示とされるが,度数や形式を定めて行うのは世界にも類例のない神拝作法であるという。…
…契約や和解の成立したしるしとして双方がそろって拍手(はくしゆ)すること。手締めともいう。…
※「拍手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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