古事類苑
こじるいえん
百科事典。和装351冊、洋装51冊。1896~1914年(明治29~大正3)にかけて刊行された。文部省大書記官西村茂樹(しげき)が類書編集を1879年に建議し、小中村清矩(きよのり)らが編集に着手したのに始まる。90年に皇典講究所に委託、95年に神宮司庁が編集を継続し、35年を費やして全1000巻が完成した。官撰(かんせん)の百科事典としてはわが国唯一のものである。古代から1867年(慶応3)までの文化、社会など諸般の事項を採録し、その事項に簡単な解説を付し、関連する記述を広く引用し、出典名を記す。天、歳時、地、神祇(じんぎ)、帝王など30の部門に分類し、各部は関係のある項目ごとにまとめる。江戸時代以前の日本文化の研究に大きな便益を供している。
[沖森卓也]
『神宮司庁蔵版『古事類苑』普及版全51冊(1976~80・吉川弘文館)』
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古事類苑【こじるいえん】
日本の官撰百科事典。1879年西村茂樹の建議で文部省が企画,担当部署の変動や幾度かの組織がえののち最終的には神宮司庁で完成。1896年―1914年刊行。本文1000巻,洋装本50冊。総目録索引1冊。中国や日本の先行の類書の体裁にならい,天部,歳時部から植物部,金石部まで30部門に分かち,歴代の制度文物社会百般の事項を古来の書籍より引証,7万余ページに達する。
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デジタル大辞泉
「古事類苑」の意味・読み・例文・類語
こじるいえん〔コジルイヱン〕【古事類苑】
百科事典。1000巻。和装本は本文350冊、ほか総目録と索引。洋装本51冊。明治29~大正3年(1896~1914)刊。明治12年、西村茂樹の建議により文部省で編集を開始、皇典講究所・神宮司庁へと引き継がれ、35年を費やして完成。歴代の制度、文物、社会全般の事項を30部門に類別し、六国史以下慶応3年(1867)までの文献から引用した例証を収載。
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こじるいえん コジルイヱン【古事類苑】
百科事彙。千巻。洋装本五〇冊。総目録・索引一冊。西村茂樹の
建言・
立案により、神宮司庁が編集。明治一二~四〇年(
一八七九‐一九〇七)成立、同二九~大正三年(
一八九六‐一九一四)刊。六国史以下慶応三年(
一八六七)までの基本的文献
史料に見られる制度・文物・社会全般の事項を、天・歳時・地・神祇など三〇部に分類し、
原文のまま収め、各部に総覧を付したもの。
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古事類苑
こじるいえん
明治期に政府が編纂した一種の百科事典。本文 1000巻。刊本は和装本で 350冊,洋装本では 50冊と索引1冊 (1927年の再版は 60冊) 。 1879年に西村茂樹の建議で文部省に編纂係が設けられ,96年に刊行を開始,1913年にようやく完結した。内容は歴代の制度,文物,社会百般にわたり,天,歳時,地,神祇など 30部門に分類されている。
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古事類苑
こじるいえん
明治時代に編纂された分類史料集
1879年西村茂樹の建議により文部省が編纂。1907年編纂完了。'13年刊行終了。1000巻。日本古来の制度・文物などの諸事項を天部から金石部にわたる30部門に類別,各部をさらに編・条・項に分けて関係史料を広く収集してある。史料集として最大の書。
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こじるいえん【古事類苑】
日本の百科全書。中国や日本の先行の類書の体裁にならう。30部,1000巻(和装本350冊,洋装本50冊)。ほかに総目録索引1冊。1914年完成。初版は1896‐1914年刊行。日本の歴史上,1867年(慶応3)までの制度・文物および社会全般の事項について,古今の書籍・文書などから関係する史料を原文のまま引用し理解させようとする。事項は天部,歳時部,地部,神祇部,帝王部以下,動物部,植物部,金石部まで30部に分けられ,さらに編・条・項と分類し,必要あるときは,付・併入などの配列を加えて,事項の遺漏がないように努めている。
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世界大百科事典内の古事類苑の言及
【百科事典】より
… 欧化を推進した政府は,他方で神道国教化などの復古的な性格をもち,古典・古文書などを抄出して類聚しながら日本の制度・文物の沿革を明らかにする国学的な類書の編纂に着手した。1879年文部大書記官西村茂樹の建議に始まる《古事類苑》の編纂は,紆余曲折を経て1913年に和装本350巻,洋装本50巻・索引1巻という大部のものとして完成したが,江戸時代の《類聚名物考》や《古今要覧稿》を受け継ぎ集大成した日本に関する百科事典として,現在でも利用されている。また,物集高見(もずめたかみ)が独力で30年の歳月を費やして編纂した《広文庫》20巻,索引《群書索引》3巻も,同じ流れをくむものである。…
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