戯事・戯言(読み)たわごと

精選版 日本国語大辞典 「戯事・戯言」の意味・読み・例文・類語

たわ‐ごと たは‥【戯事・戯言】

〘名〙 (古くは「たわこと」)
正気を失っていうような、ふつうでないことば。たわけたことば。ふざけたことば。妄語冗談
書紀(720)天智九年(北野本訓)「復、誣妄(タハコト)妖偽(およつれこと)を禁(いさ)ひ断(や)む」
浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)五「御企のいや連判などとは何の譫言(タハゴト)左様の噂かつてなし」
② 正気を失った行為。たわけたこと。ばかげた行為。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「いといとまめなりと見るものを、なむどたはごとは多くしつる」
③ うわごと。
※観智院本三宝絵(984)上「飢ゑ疲れて物のおもほえす、既に太者事に云へるならむ、我が遷し心に知れる事にも有らじ」
宗長手記(1522‐27)上「痢病に日頃わづらひて、たはことに思すも」

たわぶれ‐ごと たはぶれ‥【戯事・戯言】

〘名〙 たわむれてすること。いたずら。たわぶれわざ。また、たわむれて言うことば。ふざけて言うことば。じょうだん。たわむれごと。
※書紀(720)武烈即位前(図書寮本訓)「大臣戯言(タハフレこと)に、陽進(いつは)りて曰く」
※俳諧・笈の小文(1690‐91頃)「いでや門出のたはぶれ事せんと、笠のうちに落書す」

たわむれ‐ごと たはむれ‥【戯事・戯言】

※天草本伊曾保(1593)序「ミモナキ tauamuregotoniua(タワムレゴトニワ) ミミヲ カタムケ」

おどけ‐ごと【戯事・戯言】

〘名〙 おどけた事。おかしなしぐさ。こっけいな言動。おどけっこ。
甲陽軍鑑(17C初)品四八「中々物のなりも聞えぬほどいつもおどけごと申人達なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android