れん‐ばん【連判】
①
文書に
複数の人が
署名を連ねること。自署あるいは花押を書く。
律令制の
公文書には長官以下四等官
(しとうかん)までが位署姓名を書き連ねる
様式が多い。
※律(718)職制「判官受
二得枉法贓十端
一。更有
二両官連判
一、各分
二二端
一与
レ之」 〔
唐律疏議‐名例・
同職犯公坐〕
② 一通の文書に二人以上のものが連名で記名して、花押を書き、あるいは印を捺(お)すこと。列判(れっぱん)。
※日蓮遺文‐八風等真言破事(1277)「
清盛が一類二十余人起請をかき連判をして願を立て」
※将軍執権次第(1334頃か)文永元年「時宗 〈略〉時頼三男。八月十一日以後令レ加二連判一。年十五歳」
[語誌](②について) (1)
書札礼(しょさつれい)において注目され、土岐利綱「家中竹馬記」(
一五一一)、伊勢貞頼「宗五大草紙‐書札之事」(
一五二八)等の故実書に、連判の形式についての言及が見える。いずれも
書面の奥に上位者の署名、判(上判)を記すべきとする。
(2)元和年間(
一六一五‐二四)
成立の
曾我尚祐「和簡礼経‐五」は、「連署」と「連判」を区別し、
判形が表にあれば「連判」、判形がなかったり、裏にあったりする場合は「連署」と言うべきであるとする。同書は、また、宛所が多ければ「連署」、判形が多ければ「連判」と言うとする説を挙げ、これは適当な
区分ではないとしている。
(3)書札礼では、連判は上位者・下位者の判の順が問題とされているが、「
傘連判(からかされんばん)」は、逆に、中心人物・上位者を明らかにせず、平等を旨として
放射状に連判をなす形式で、
室町時代の
武士の
一揆の契約状や、
近世の
農民の
訴状などに見られる。
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デジタル大辞泉
「連判」の意味・読み・例文・類語
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連判 (れんぱん)
1通の文書に2名以上の者が連名で署名をし,花押あるいは印を据えること。〈れんばん〉とも読む。類似の語に連署があるが,これは必ずしも花押・印を伴わず署名のみのときにも用いられる。また連署の呼称は奈良時代より見え,近世に及ぶが,連判は主として中世以後用いられた。連判をする人が少ないときは同一線上に連ねるが,多人数のとき,また文書によって上下2段に分けて書かれる。2段書きの例としては,平安後期の政所下文(くだしぶみ)や院庁下文にみえ,別当より四位以上の家司は上段に,五位以下の者は下段に署名する。中世文書では武家の下文,御教書(みぎようしよ),下知状(げちじよう),奉書などにおいて,2人以上の奉者が連判するのが普通で,江戸幕府の老中奉書なども同様である。いずれもあて名に近いほうが上位者である。近世においておおぜいの百姓が連判のうえ,上申する文書が多くみうけられるが,特異な文書としては中世・近世における傘連判(からかされんばん)がある。
執筆者:高橋 正彦
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連判【れんぱん】
文書の差出者が複数で署判している場合,これを連判,連署という。多人数が一致契約する場合,すなわち一揆(いっき)の団結(一揆契状)や訴状等に用いる。紙をつぎたして連名する場合,また連判者間の地位の上下がないことを表すためや,主謀者を隠蔽するために円のまわりに放射状に連署する場合(傘(からかさ)連判)等がある。
→関連項目霞ヶ浦四十八津|町触
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「連判」の読み・字形・画数・意味
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