帆(漢字)

普及版 字通 「帆(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)
6画

[字音] ハン
[字訓] ほ・ほかけ

[字形] 形声
声符は(凡)(はん)。は風の声符に用いる字で、卜文の風は鳳形の鳥に、声符としてを加えた字であった。はもと舟の形で盤形の器をいい、盤旋(ばんせん)(めぐる)の意がある。風によって風行し、盤旋するものをいう。〔釈名、釈船〕に「は泛(へん)なり。風に隨ひて幔を張るをと曰ふ。舟をして疾(はや)きこと汎汎然たらしむるなり」とあって、帆船をいう。江南が急速に拓かれた六朝期には旅行に水行のことが多く、その消息の文に「布恙(つつが)無し」という挨拶語が用いられた。

[訓義]
1. ほ。
2. ほかけ、ほかけ舟、ほをかけて走る。

[古辞書の訓]
和名抄 保(ほ)。風衣なり。一に云ふ、檣上に掛けて風を取り、むる幔なり 〔名義抄 シブカス 〔立〕 シブク

[語系]
・汎・氾・泛biumは同声。みな水にただようことをいう。biumも同声で、風piumの初文。風の旋り吹くことを般・盤buanといい、ひらひらすることを番biuan、飜(翻)phiuanという。

[熟語]
帆影・帆海帆竿・帆脚・帆弱・帆帆衝帆檣・帆色帆勢・帆席帆舶・帆幅・帆腹・帆葉・帆力
[下接語]
一帆・雲帆・遠帆解帆・危帆・帰帆・客帆・去帆・挙帆・漁帆・挂帆・軽帆・健帆・孤帆・江帆・高帆・秋帆・出帆・征帆・千帆・双帆・張帆・半帆・晩帆・飛帆・布帆・風帆・片帆・暮帆・満帆・夜帆・揚帆・落帆・旅帆

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報