精選版 日本国語大辞典 「江南」の意味・読み・例文・類語
こう‐なん カウ‥【江南】
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愛知県北西部の市。1954年市制。人口9万9730(2010)。濃尾平野の北部,木曾川左岸に位置する。中世は稲木荘,村久野荘に属し,1320年代には後醍醐天皇の命で曼陀羅寺(正堂,書院などは重要文化財)が創建されている。近世に入り宮田用水,般若用水などができて新田開発が盛んに行われたが,近世後期以降は養蚕業が盛んになり,それに伴って生糸業,絹織物業が発達し,尾北地方の商工業の中心になった。第2次大戦後は化繊織物に転じ,カーテン地など室内装飾品織物の生産が多くなっている。また鉄工機械,コンクリート,食料品加工業などの大工場の立地,古知野や名鉄犬山線布袋駅前への大型店舗の進出,さらには大規模な住宅団地の造成などにより名古屋市の衛星都市化が進んでいる。農業は野菜栽培が中心。古墳時代中期の曾本二子山古墳があり,曼陀羅寺はフジの名所としても知られる。
執筆者:溝口 常俊
→唐(五代)
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言葉の意味は長江以南の地域をさすが,狭義には江蘇省の蘇州,松江,常州,浙江(せっこう)省の嘉興(かこう),湖州の五つの府を中心とする長江下流域の三角州地帯をいう。後漢末から三国時代にかけて華北から移住者が急増し,水田開発が開始された。宋代からは圩田(うでん),囲田,湖田など,湿地帯を堤防で囲んで干拓する新田開発が普及した結果,「蘇湖熟すれば天下足る」という俗諺(ぞくげん)に象徴されるように,この地域が中国でも有数の穀倉地帯に成長した。明清時代には手工業生産が盛んとなり,商業化・都市化が進んで経済的先進地域としての地位を堅持した。近代になるとその中心は上海に移ったが,現在もなお改革・開放経済発展の中心的地域としての役割を担っている。
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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