布引山地
ぬのびきさんち
三重県中西部、伊勢(いせ)平野と上野盆地の境を南北に走る山地。北は加太(かぶと)地溝から南は室生(むろう)火山群まで約30キロメートル続く。最高峰の大洞(おおぼら)山(985メートル)のほかに尼(あま)ヶ岳(958メートル)、笠取(かさとり)山(842メートル)、経(きょう)ヶ峰(819メートル)などがある。山地は東西を断層で切られ、伊勢湾側に急崖(きゅうがい)をなす傾動地塁で、領家(りょうけ)帯の片麻(へんま)岩類、花崗(かこう)岩類で構成される。山頂に隆起準平原の平坦(へいたん)面が約16キロメートルにわたって広がり、青山高原(あおやまこうげん)とよばれ、室生赤目青山国定公園(むろうあかめあおやまこくていこうえん)の一部をなしている。
[伊藤達雄]
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デジタル大辞泉
「布引山地」の意味・読み・例文・類語
ぬのびき‐さんち【布引山地】
三重県中西部、伊勢平野と上野盆地の境に南北に連なる山地。長さ約30キロメートル。最高峰は南部に位置する大洞山(標高985メートル)。東西を断層で区切られ、伊勢湾側が急崖となっている。山地中に約16キロメートルにわたって隆起準平原が広がり、青山高原と呼ばれる。室生赤目青山国定公園に属する。名は、地形が布を引いたように見えるところから。
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ぬのびきさんち【布引山地】
三重県の北西部を南北に走り,伊勢平野と上野盆地を分ける山地。北は加太(かぶと)の鞍部で鈴鹿山脈と接し,南は尼ヶ岳(958m),大洞(おおぼら)山(985m)を経て高見山地に続く。地質は花コウ岩類からなるが,室生火山群に属する。尼ヶ岳と大洞山は流紋岩質の溶結凝灰岩が浸食や変位を受けたものである。鈴鹿山脈など近畿地方の内帯中部にみられる南北方向の山地とともに,六甲変動によって準平原状の小起伏面が隆起したもので,東側は一志断層により急崖となって伊勢平野に臨み,西側は上野盆地に向かって緩やかに傾斜している。
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