伊勢平野(読み)いせへいや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊勢平野」の意味・わかりやすい解説

伊勢平野
いせへいや

三重県東部、伊勢湾に面し、ほぼ南北に細長い海岸平野。北は木曽(きそ)川デルタに始まり、南は櫛田川(くしだがわ)に沿う中央構造線に至る。中央の津、松阪あたりで内陸へくびれ、南部は東へ大きく湾曲した海岸線をもつ。南北ほぼ90キロメートル、東西15~25キロメートルで、内陸は鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)を構成する傾動地塊の急斜面と、その南に続く高見山地、紀伊山地でくぎられる。山麓(さんろく)に扇状地段丘が発達し、海岸に沿って、北から員弁(いなべ)、鈴鹿安濃(あのう)、雲出(くもず)、櫛田宮川などの河川が形成した沖積地が展開する。コシヒカリを中心とした稲作が盛んで、イチゴなどの施設園芸が行われる。また、臨海地域は工業地帯となっている。三重県の主要部をなし、県下14市のうち桑名、四日市、鈴鹿、亀山(かめやま)、津、松阪、伊勢の7市が集まる。JRの紀勢本線、関西本線、名松(めいしょう)線、参宮線、近畿日本鉄道の名古屋線、大阪線、山田線、湯の山線、鈴鹿線、伊勢鉄道、国道1号、23号などが走っている。

[伊藤達雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊勢平野」の意味・わかりやすい解説

伊勢平野
いせへいや

三重県東部,伊勢湾に臨む海岸平野。南北に細長く,北は揖斐川から南は伊勢市北部を通る中央構造線まで。長さ約 90km。幅 15~25km。西端は鈴鹿山脈布引山地など傾動地塊の急斜面に続く。伊勢湾に注ぐ員弁川(いなべがわ),朝明川,三滝川,鈴鹿川安濃川雲出川櫛田川宮川などの各河川が形成した洪積台地沖積低地(→沖積平野)で,扇状地段丘三角州などからなる。主要河川の下流部に県下の主要都市が連なる。伊勢米の産地であるとともにチャ(茶),タバコの栽培が行なわれる。北勢四日市市鈴鹿市を中心とする石油化学,機械,繊維などの工業地域は中京工業地帯の一部をなす。国際拠点港湾の四日市港,重要港湾の津松阪港のほか,多くの小漁港がある。海岸線は単調な砂浜海岸が主で,海水浴場やノリ漁場として利用されるが,北部では埋め立てが進んでいる。

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百科事典マイペディア 「伊勢平野」の意味・わかりやすい解説

伊勢平野【いせへいや】

三重県東部,鈴鹿山脈伊勢湾にはさまれた平野。南北約120km,幅約12km,沖積低地(海岸・三角州)と一段高い洪積台地からなる。伊勢米,茶などを多産する農業地帯で,県の主要都市が集中して発達,四日市を中心に石油化学工業を中核とする臨海工業地帯が発展している。
→関連項目朝日[町]員弁[町]嬉野[町]小俣[町]香良洲[町]河芸[町]芸濃[町]鈴鹿[市]多気[町]玉城[町]津[市]久居[市]三重[県]四日市[市]

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精選版 日本国語大辞典 「伊勢平野」の意味・読み・例文・類語

いせ‐へいや【伊勢平野】

三重県東部、伊勢湾に面する海岸平野。鈴鹿、安濃、櫛田などの河川が東流する。

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世界大百科事典 第2版 「伊勢平野」の意味・わかりやすい解説

いせへいや【伊勢平野】

伊勢湾西岸の海岸平野で,三重県の主要部を占める。北は木曾三川養老山地,西は鈴鹿山脈,布引山地,南は中央構造線に沿う高見山地,朝熊(あさま)山地で限られる。海岸線は単調で,遠浅の砂浜海岸である。海岸線に沿って狭い浜堤と後背湿地をもつ沖積平野が南北に連なり,山麓の段丘や扇状地群と接している。北端には木曾川,長良川によって形成された輪中地帯,揖斐(いび)川の三角州,鈴鹿川,岩田川,雲出(くもず)川,櫛田川,宮川などの諸河川によって開析・堆積された段丘,扇状地が連なっている。

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デジタル大辞泉 「伊勢平野」の意味・読み・例文・類語

いせ‐へいや【伊勢平野】

三重県東部、伊勢湾に面する南北に細長い平野。

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