小豆島(町)(読み)しょうどしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小豆島(町)」の意味・わかりやすい解説

小豆島(町)
しょうどしま

香川県北部、小豆(しょうず)郡にある町。小豆島の東南部を占める。2006年(平成18)、小豆郡内海町(うちのみちょう)、池田町が合併して成立。町域は主として花崗(かこう)岩からなる山地が海岸に迫り、平地に乏しい。池田、草壁(くさかべ)、坂手(さかて)、福田(ふくだ)の各港と高松、姫路、神戸とを結ぶフェリー就航。国道436号が通じる。瀬戸内海での漁業そうめん製造、しょうゆ製造、福田地区の採石などが伝統産業で、そうめんは小豆島手延べそうめんとして著名。苗羽(のうま)付近は、しょうゆと、それを利用して第二次世界大戦後に始まった佃煮(つくだに)製造の工場が多く、コンブの佃煮の生産量は日本有数。日本におけるオリーブ栽培の発祥地とされ、観光農園の小豆島オリーブ園がある。スモモ(レッドスター)や電照ギクの栽培も盛ん。文化財、史跡、景勝地にも恵まれる。明王(みょうおう)寺の釈迦堂、長勝(ちょうしょう)寺蔵の木造伝池田八幡本地仏坐像3体、同寺が保管する銅製梵鐘はいずれも国指定重要文化財。奇岩絶景の渓谷美で知られる神懸(かんかけ)山(寒霞渓(かんかけい))は国指定名勝、岩谷(いわがたに)地区の山中や海岸に残る大坂城石垣石丁場跡は国指定史跡。亀山八幡宮祭礼の野外見物席として利用される「池田の桟敷」、春日神社境内にある中山農村歌舞伎舞台(中山の舞台)はいずれも国指定重要有形民俗文化財。同舞台で例年10月に演じられる歌舞伎は、土庄(とのしょう)町の肥土山(ひとやま)農村歌舞伎とあわせて小豆島農村歌舞伎の名称で国指定無形民俗文化財および県指定無形民俗文化財となっている。ほかにも小豆島八十八ヶ所霊場(島四国)の第1番札所洞雲山、坂手出身の作家壺井栄(つぼいさかえ)の小説『二十四の瞳』の舞台となった岬の分教場、中世の星ヶ城跡、国の天然記念物に指定されている誓願(せいがん)寺のソテツ、皇子(おうじ)神社社叢などの名所がある。面積95.59平方キロメートル、人口1万3870(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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