精選版 日本国語大辞典 「誓願」の意味・読み・例文・類語
せい‐がん ‥グヮン【誓願】
〘名〙
※西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)「夫西大寺者平城宮御宇宝字称徳孝謙皇帝、去天平宝字八年九月十一日誓願将敬造七尺金銅四天王像、兼建彼寺矣」
※今昔(1120頃か)二「大臣、此を見て誓願して云く」 〔王勃‐武都山浄恵寺碑〕
② 仏語。仏菩薩が、一切の衆生の苦しみを救おうと願って、必ずこれを成しとげようと誓うこと。四弘誓願(しぐぜいがん)はその共通した願で総願といい、彌陀(みだ)の四十八願、薬師の十二願、釈迦の五百大願などは別願という。弘誓(ぐぜい)。本誓(ほんぜい)。→本願。
※観智院本三宝絵(984)下「又彼仏は此土の衆生に大誓願あり」
※正法眼蔵(1231‐53)出家功徳「如来すでに誓願して、出家せしめまします」 〔勝鬘経‐三願章〕
③ キリスト教で神の恵みを感謝し、災難をのがれて、幸福を受けようとし、何かよいことをしようと、神に約束すること。
[補注]②について、「誓願」と「本願」は厳密には同義語ではなく、「本願」は過去世(かこせ)において仏菩薩が起こした誓願に限定される。ただし、浄土教では、特に阿彌陀仏の本願をさして単に「誓願」という場合もある。
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