デジタル大辞泉
「太湖石」の意味・読み・例文・類語
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たいこ‐せき【太湖石】
〘名〙 石灰岩の
一種。
中国の太湖から産出したのでいう。
洞庭湖などからも産出し、特に水の浸食により奇怪な形をしたものを
庭園や
植木鉢に置いて観賞用とする。日本では岐阜県明星山から産出される。
※烟鬼(1900)〈
永井荷風〉一「高く
畳重(つみかさ)ねたる形面白き太湖石
(タイコセキ)の下に」 〔
旧唐書‐白居易伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
太湖石 (たいこせき)
Tài hú shí
中国,江蘇省の太湖中より産する石で,仮山石ともいう。多くの複雑な孔穴がうがたれ,奇怪な形状をもつ。これは湖底の石灰岩が長期の水食を受けてできたもので,古くから庭園などの観賞用に珍重された。北方の皇帝の都まで大運河を経由して運ばれたものも多く,北宋の徽宗は特に好んで開封に運ばせたが(花石綱),これを機会に方臘の乱がおこったのは有名。江南の有名な園林には必ず見られるが,特に蘇州の獅子林は獅子の形に似た太湖石を集めたものであり,留園にあるものは高さ10mに近い。
執筆者:秋山 元秀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報