墨坂神社(読み)すみさかじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「墨坂神社」の意味・読み・例文・類語

すみさか‐じんじゃ【墨坂神社】

[一] 長野県須坂市須坂にある神社。旧県社。祭神墨坂神・建御名方命(たけみなかたのみこと)。芝宮。
[二] 奈良県宇陀(うだ)郡榛原(はいばら)町にある神社。旧県社。祭神は墨坂神。崇神天皇九年の創祀と伝える。

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日本歴史地名大系 「墨坂神社」の解説

墨坂神社
すみさかじんじや

[現在地名]榛原町大字萩原小字天野

宇陀うだ川南岸に鎮座。祭神墨坂神。旧県社。「日本書紀」崇神天皇九年三月一五日条に「天皇の夢に神人有して、誨へて曰はく、「赤盾八枚・赤矛八竿を以て、墨坂神をまつれ。亦黒盾八枚・黒矛八竿を以て、大坂神を祠れ」とのたまふ」とあり、同年四月一六日、夢の教示に従って両神を祀ったと記す。当時流行した疫病を鎮止するためであった。また同書雄略天皇七年七月三日条に「三諸岳の神」について「此の山の神をば大物主神と為ふといふ。

墨坂神社
すみさかじんじや

[現在地名]須坂市小山 八幡町

須坂扇状地中央部西扇側の地にある。南方へ緩傾斜して百々どど川の氾濫原となる。周辺一帯に土師器片の散布が多い。参道は南にあき、社前を東西に通る往還(須坂―松代・善光寺)に接する。往還に並木の槻の木の大枯株が散見。社地の東を森上という。

祭神品陀和気命・気長足比売命・帯中津彦命。通称小山八幡。「延喜式」神名帳に「墨坂神社」とある。旧県社。

慶長二年(一五九七)祠官山岸図書頭吉房は、小山村墨坂神社・同八幡宮二通の神道裁許状を、吉田家から受けている(山岸家文書)。宝暦三年(一七五三)の棟札に「墨坂神社於瑞広前御遷宮、奉再建八幡御本社一宇」、寛政五年(一七九三)の棟札に「八幡宮広前御遷宮、奉再建御本社狭屋一宇」とあり、社号・祭神に混乱があった。

墨坂神社
すみさかじんじや

[現在地名]須坂市須坂字芝宮

祭神墨坂神、合殿建御名方命。「延喜式」神名帳に「墨坂神社」と記し、高井郡六座の一つである。通称芝宮しばみや。旧県社。

墨坂神は高井郡所在の神として、天応元年(七八一)越智おち神とともに桓武天皇より神封一戸を賜った(新抄格勅符)。既に「日本書紀」崇神天皇九年三月一五日条に天皇が夢の神誨により盾矛をもって墨坂・大坂の両神を祭ったこと、同書雄略天皇七年七月三日条に、天皇が小子部連をして三諸みもろ山の神の形を見ようとしたことが記されるが、三諸山の神の名は「大物主神或曰菟田うだ墨坂神也」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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